奉納 第二十八回「八ヶ岳薪能」3
投稿日:2018年06月07日 09:00
■能 邯鄲 かんたん 辰巳満次郎
辰巳満次郎のDVD、『能M-1「邯鄲」傘之出』は、正倉院の箜篌(くご)を再現した音楽と共に、新しい時代を告げた。宝生流はきびしく古格を守りつつも、常に先端を切っているのである。
人生に迷う青年・盧生。邯鄲の宿の女主人に勧められて、未来を夢見るという仙人の枕を試みる。たちまち勅使に迎えられて帝位に就き、五十年の栄華を尽くす。わずか一畳の広さ、しかも四本の柱に区切られた空間で、盧生は王者の舞を舞う。能舞台の中に、もう一つの能舞台を凝縮して見せるのである。
夢は覚めねばならぬ。女主人に粟の飯の炊けたことを告げられて、呆然と目覚めた盧生。五十年の歓楽も一炊の夢と悟って故郷へ帰っていく。三島由紀夫の『近代能楽集』は世界的に名高いが、そのヒントになった第一作が「邯鄲」であった。
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