ヘンプクリート
投稿日:2015年10月27日 17:00
AFP通信によると、地球温暖化により今世紀中に気温の上昇幅が2.7℃に達する可能性があり、各国が表明している炭素ガス排出量の削減目標案では、気候変動の最悪の予測を回避するのには不十分と発表しました。地球温暖化は、二酸化炭素(CO2)など温暖化ガスの急増が原因とされていますが、排出されるCO2の内50%は、建物や家の建築、そしてその使用により排出されていると見積もられています。
建築物にはコンクリートが多く使われますが、その中でも強化コンクリートを使用した建築物は、1?の壁をつくるために200kgものCO2が排出されます。住宅建築のCO2を減らすためには、「ヘンプクリート」の使用が最良の解決方法になるといわれて注目を集めています。ヘンプクリートとは大麻「ヘンプ」の茎の破片を石灰と水に混ぜたものです。ヘンプクリートは建物の壁に求められるほとんどの機能を有しているといわれています。
耐火性が有り、透湿性については部屋の湿度をほどよく保つことができ、麻の作用によってバクテリアやカビ、菌類の繁殖を防ぐことができます。また、元々防水性が高く、海水に触れたときに腐食しない機能を有しています。ヘンプは成長する過程でCO2を吸収しますので環境に良く、その吸収したCO2により石灰が硬化します。コンクリートのようにひび割れることもなく、日が経つにつれ耐久性も高まる理想的な素材です。また、ヘンプクリートの壁は、長い間二酸化炭素の吸収を続けますから、カーボンネガティブな素材です。
日本では縄文時代以前の古代より大麻を栽培し、生活に密着した植物として様々なものに活用してきました。大麻は幻覚作用があるために日本では栽培が禁止されていますが、メルセデスベンツやBMWなどの自動車メーカーでは数年前から内装材にヘンプを使用し始め、その存在感が徐々に高まっています。大麻は捨てるところがないほど汎用性の高い植物で、産業用に開発すれば、石油で出来る事はほぼまかなえるといわれています。上手に運用すれば、日本だけで10兆円-30兆円も経済効果が上がるとの試算もあります。
大麻は生命力が強く、農薬を使用しなくても十分に育つ上、土壌を回復させる効果もあります。世界の多くの場所で麻の栽培が違法であることや、ヘンプクリートの輸送コストが高く、普及には時間がかかりそうです。しかし、世界中でヘンプの栽培を認可される農家やヘンプ支持者が増えています。課題が解決されて、ヘンプが世界中で使用され、地球温暖化防止に役立っていくことが期待されます。
★冷たくて固い床から、柔らかくて暖かい床に
「桐エコロジーリフォーム」
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