「免震装置」の不適合と「耐震金物」
投稿日:2015年04月30日 09:00
マスメディアの報道によって明らかになって驚いたことは、ビル・マンシ
ョンの重量を支える免震装置の認定が書類のみの提出で取得されていたこと
です。又、欠陥製品であることを知りながら、業者の施工に合わせるために
出荷していたのは、消費者不在の大手企業による高慢の現れです。
「耐震金物」は一般戸建木造住宅を対象とした小さな金物ですが、性能検
査を何回も繰り返しています。私の知る限りでは、工学院大学八王子実験室
で教授立ち会いのもとで、「耐震金物」を土台や柱・梁に取り付けて性能検
査を行っています。時には産業能率大学の実験室で、中古住宅を解体した木
材の耐久力の実験から、耐震金物の性能検査までをして、外郭団体の評価証
明を受けています。弱小資本の中小企業でさえ、これだけの努力をしていま
す。
先日のNHKテレビ番組は、戸建木造住宅が強い地震によって1階が崩壊
するのは何故かというテーマでした。私の知識では「1階床下の足元劣化」
の見落としにあると確信していますが、有識者の説明では地盤の軟弱度によ
って、発表された震度より高い震度になって崩壊するというものでした。納
得です。一般に液状化対策といってもビル・マンション・戸建住宅によって
各々条件と対応が異なります。
そこには工事業者としての知識と良識が大地震後に企業存続の明暗を分け
ることになります。先日の新聞には、書類の受理をもって認定した事に対し
て、大手企業なら大丈夫という性善説に従ったという幼稚な答えに、消費者
・中小企業はどう受け取ったでしょうか。なんとも常識はずれの答えで残念
です。
住宅リフォーム教室 主宰 山川義光
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