「ツチハシクリニック」開設
投稿日:2015年04月27日 09:00
日本の内視鏡手術の第一人者として、外科医の土橋重隆医師が、医者とし
ての最後の仕上げとして、埼玉高速鉄道「新井宿」に完全予約制の「土橋ク
リニック」を開設しました。
「約2時間真剣に患者さんに向かい合う。そうすると1日2組の診察が限
度です。」約2時間もの間、患者さんと対峙し、患者さんの日常の問題点を
探り、アドバイスを行います。
住所:川口市新井宿86ー6 電話:048-299-4462
日本の内視鏡手術の第一人者として、外科医の土橋重隆医師が、医者とし
ての最後の仕上げとして、埼玉高速鉄道「新井宿」に完全予約制の「土橋ク
リニック」を開設しました。
「約2時間真剣に患者さんに向かい合う。そうすると1日2組の診察が限
度です。」約2時間もの間、患者さんと対峙し、患者さんの日常の問題点を
探り、アドバイスを行います。
住所:川口市新井宿86ー6 電話:048-299-4462
◆土橋重隆医師の発想・考え方
人にはそれぞれの思考パターンがある。長年の習慣でもあるので、あまり
自覚されていないが、私はそれを、1科学的思考、2宗教的思考、3哲学的
思考の3つのパターンに分けて考えるようにしている。一人ひとりのなかに、
この3つのパターンが混じり合っているわけだが、現代の日本人の多くは、
1の科学的思考の割合が大きいだろう。
それは目の前に起きた事実から物事を考え、解釈しようとするものだ。こ
の本でも話したように、とりわけ西洋医学は、こうした科学的思考で成り立
っている。実際、医者は肉体に起きた変化を「数値」と「画像」という事実
に表して診断、治療を行っているし、患者さんの多くもそれを受け入れてい
るだろう。
これに対し、2の宗教的思考は目には見えない「神仏」や「奇蹟」を絶対
的前提としている。この場合、数値や画像は必要とならず、目の前に起きた
事実は前提にはならない。「無宗教」の日本人にはピンと来ないかもしれな
いが、世界を見渡せば、こうした思考を拠り所にしている人もかなりの数に
上るはずだ。
3の哲学的思考は、これらの前提そのものを置かず、つねに「なぜか?」
を問い続け、起きた現象の「意味と関係」を追求していくものだ。事実を前
提に生きてきた人にとっては、科学的思考の西洋医学が当たり前であり、い
ちばん理解しやすいのかもしれないが、そこに不完全さを感じ、飽き足らな
くなった人のなかに「意味と関係」について考える人が出てくる。
目に見えるもの(科学的思考)から目に見えないもの(宗教的思考)に価
値観を変えるのではなく、まずは前提を取り払い、自分の納得ができる答え
を見つけていくのだ。外科医として、目の前の事実だけを受け止めてきた私
が、こうした「意味と関係」に興味を持ってから、気がつけば十数年が経過
した。
一般的には、病気は悪いもの、排除されるべきだと考えられ、医者に行く
とそうした前提で話が進んでいく。患者さんの多くもそう思っているかもし
れないが、哲学的思考をする私の中では「何事も長所半分、短所半分」が原
則。したがって、ガンにも意味と価値があり、やはり長所半分、短所半分と
言えるものなのだ。
事実、西洋医学の常識では治らないとされる末期のガンでも、なぜか治癒
してしまうケースが少なからずある。このような症例はなぜ起きたのか?治
る人と治らない人では何が違うのか?そもそも、なぜ病気になるのか?こう
した疑問を探ることが、いまの私にとってライフワークにほかならない。
医学部を卒業してから、「普通は嫌だ」という思いに突き動かされるよう
にして最新医療に関わってきたが、外科の第一線から離れたいまもなお、ど
の医者も踏み込んでいない未知の分野にいることを感じる。技術の進歩を追
い求めた従来とはまた次元のちがう、意識の変化をうながすようなイノベー
ション(革新)が、いま求められていると思うのだ。
最近では、西洋医学を否定的にとらえる人も増えてきたが、一方で、西洋医
学しか受け容れられない人が大勢いるという現実がある。こうした人には西
洋医学が必要なのであり、そこにも意味と価値がある。つまり、事実は一つ
しかないが、個人的真実は十人十色。病気という事実は一つであっても、そ
れをどのように受け止めるかは個人的真実の領域だ。いろいろな解釈ができ、
それによって対処法も違ってくる。
医者は患者さんを選ぶことはできないから、こうしたいろいろな個人的真
実を受け入れられる人格でなければならない。治療法と関わりなく患者さん
が治っていく現実を考えると、このバランスが一番大事だと思う。
土橋重隆医師著書:「死と闘わない生き方」より
★土橋重隆総合サイト
http://tuchihashi-world.jimdo.com/
https://www.lifestyle.co.jp/2015/04/post_1004.html
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