スーパーソルガム
投稿日:2014年05月20日 09:00
イネ科の植物ソルガムの「子実型ソルガム」は、アフリカの一部で主食や
ビールの原料として、中国では白酒の原料や飼育原料として使われています。
また、「ソルゴー型ソルガム」はサトウキビと同じように茎の中に糖液を貯
める性質からエネルギー作物として最近注目されています。
ソルガムに着目した沖縄県の農業ベンチャー企業が、2008年くらいから産
学共同研究を開始し、なかでも茎中の糖度が高くバイオマスが大きい系統を
改良して、より高いパフォーマンスを示すソルガムの種類(系統群)をスー
パーソルガムと呼んでいます。スーパーソルガムは一つの品種ではなく、そ
の地に適したソルガムのグループを指します。特色はバイオマスの大きさと
約5mもの高さに伸びることです。
日本の技術で改良されたスーパーソルガムの用途は多岐にわたりますが、
まず搾汁液の糖度が高いことから、バイオエタノールや液糖・砂糖などに使
われます。現在、驚異的な生育を示したスーパーソルガムをインドネシアの
政府と協力して日本の企業が実証栽培に取り組んでいます。インドネシアは
高い経済成長でGDPは世界16位に躍進し、人口は約2億4000万人で増加も目覚
ましく、2025年にはGDPが現在の約4倍になると見込まれています。成長の過
程では、エネルギーと食料といった2つの深刻な課題があります。
1つめは、国民のガソリン購入費負担を軽減するために、1リットル100円程の
ガソリンを補助金で約半分に抑えていますので、年間約3兆円の予算が必要
になります。この補助金と年間100万トンにも上る原油輸入量を減らすために
自国バイオ燃料生産を推進しています。
2つめは、世界第4位の人口を支える食料問題です。砂糖や牛肉の輸入量
の多いことが問題とされていて、スーパーソルガムの茎を搾って得られる液
からは砂糖や液糖(HFCS等)が生産され、搾りかすからは牛の飼料であるサ
イレージ(乳酸発酵飼料)が生産できます。トウモロコシのようなデンプン
類からエタノールを作る場合には糖化工程が必要でコストが掛かりますが、
スーパーソルガムはコストメリットのある糖と高品質なサイレージが輸入削
減に寄与すると期待されています。
今回のインドネシアでの実証では、種をまいてから赤道直下の真上からの
日光と、毎夕の嵐のようなスコールのおかげなのか、90-120日後には5メートル
以上に成長しています。また、バイオエタノール生産能力が年3回の収穫で
1ヘクタールあたり約10万株、1万7700リットルとなっています。栽培密度小規模
実験では条件によって1ヘクタールあたり13万株、エタノール換算2万2000リットル
まで可能になります。インドネシアに限らず、経済成長と人口増加に伴って今後
世界各地で未来型資源として、スーパーソルガムの需要は益々高まっていくでしょう。
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https://www.lifestyle.co.jp/2014/05/post_708.html
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