職人と欠陥工事
投稿日:2014年01月29日 09:00
昨年の消費税増税前の駆け込み需要の影響が起こっています。東日本大震
災の復興事業で職人不足が叫ばれている中、当然起こるべくして起こった問
題です。関連して工期の遅れからなんとか職人を獲得しようと労賃の上乗せ
が始まっています。建材不足から材料の値上りも始まりました。そのしわ寄
せはすべて消費者に廻ってきます。職人不足を承知の上で、消費者を煽るよ
うな宣伝広告で受注する姿勢には疑問を感じます。
30年から40年前の建築ブームが需要と供給のアンバランスを起して欠陥工
事を生んできました。今でも当時の家の構造を診断すると、あるべき箇所に
筋交いや火打が無いことがあります。欠陥問題が起こるとその都度、法の改
正や取引上の安全対策を打ち出していますが、その根源は職人不足の時に
起こっています。どんな政策よりも職人の安全が基盤であることを肝に銘じて
いただきたいと思います。
そんな折りに国交省が2014年1月14日に有識者と建設業界関係者で、建設
業人材確保の会議が開催されました。その会議では1.就労者の収入安定、2.
社会保険の未加入者対策、3.建設業のイメージアップ、4.学生対象の教育訓
練体制、5.外国人技能実習生の受け入れ、などが取り上げられたようですが、
私はこの5.にバブル期の外国人就労者を思い出して違和感を持ちました。外
国の方が実習で見習って働ける現場はほんのわずかですから、安易な人材集
めはさらなる欠陥住宅を生みだします。
今年度から国の政策として始まる「長期優良リフォーム住宅」には熟練の
職人が必要です。技術実習生を養成するのであれば即戦力となる職人や離職
した方、又意欲をもって新たに建築業界に入ってくる方々に技能実習の機会
を与えて「心と技」のある職人の育成が必要です。
住宅リフォーム学院 主宰 山川義光
住み慣れた我が家のメンテ・リフォームは
ライフスタイル総合研究所03-3449-1021までご相談ください。
桐の植林からつくる健康住宅!「桐エコロジーリフォーム」
http://www.lifestyle.jp/kiri_jutaku.htm
https://www.lifestyle.co.jp/2014/01/post_692.html
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