うしろの正面「スーパーラット」

ライフスタイル総合研究所



 うしろの正面「スーパーラット」

投稿日:2013年09月24日 15:00

ここ数年、殺鼠(さっそ)剤をいくら使ってもなかなか死なないスーパーラ
ットが急増しています。同じような薬剤を使い続けてきた結果、抵抗力を持
ってしまいました。海外ではこうしたスーパーラットが原因の新たな感染症
も報告されていて、健康への影響が懸念されるようになってきました。

国内で繁殖するスーパーラットのほとんどはクマネズミです。都心のクマネ
ズミは、殺鼠剤をなかなか食べず、食べても抵抗性があって効きません。ま
た、警戒心が強くて、罠にもかかりにくくなっています。ネズミは約2カ月
で成獣になります。人間に追いかけられながら、淘汰を繰り返し、進化した
のがスーパーラット化した都会のクマネズミです。

スーパーラットはペストをはじめ、ウィルスや細菌、毒素といった様々な病
原体を持っています。米国や南米諸国ではラットの尿や唾液が人の傷口から
入り、致死率約60%の感染症「ハンタウイルス肺症候群」にかかる例もあり
ます。室内に侵入して配線などを食いちぎると、最悪の場合、火災を引き起
こすことがあります。お隣の中国でも駆除薬の誤った使用によってネズミの
耐性がどんどん強くなって、ネズミが媒介したウイルスで、死者の相次ぐ事
態が起きています。

高齢者が独りで住む一軒家が多くなり、ネズミの住み着く環境が増えていま
す。効果的な防除方法が確立されていないので、進化するスーパーラットに
自治体も専門家も手を焼いているのが現状です。退治で大切なのは、食物を
与えない、巣の材料となる紙類を捨てる、部屋を整理整頓して巣の場所を与
えず、すき間を塞ぐといった、巣を作らせないといった基本的な環境づくり
が一番のようです。



https://www.lifestyle.co.jp/2013/09/post_664.html
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