歯周病の予防
投稿日:2013年07月25日 11:30
日本人の成人8割は歯周病(歯槽膿漏)かその予備軍といわれています。歯
周病は歯に付着する歯垢に含まれる細菌の一種である歯周病菌によって引き
起こされます。歯を支える歯槽骨(しそうこつ)や歯と歯槽骨を結ぶ歯根膜
など、歯の周りの組織を溶かし、歯茎が腫れたり出血したりして、最終的に
は歯が抜けてしまい、日本人が歯を失う最も大きな原因となります。
歯周病は自覚症状があまりないことから、症状の進行に気付かないケース
が多く、気づいた時にはすでに症状が進行しているためにサイレント・ディ
ジーズ「静かに進行する病気」ともいわれます。また、歯周病が進行すると
口腔内に限らず、血液を介して各臓器に歯周病菌が運ばれ、動脈硬化の誘発
や心臓疾患、脳梗塞の発生リスクが高まったり、妊産婦への悪影響につなが
ることも判っています。
予防は歯周組織についた歯垢を取り除くことです。歯の磨き方の基本は毛
先を歯の表面に直角に軽く当て、力を入れずに小刻みにふるわすようにして
磨きます。歯と歯の間、歯と歯茎の間も同様にして磨きます。
特に歯と歯茎の間は、たまった歯垢を除去するために歯ブラシを45度の角
度にあて、一方向だけでなく上下左右に小さな円を描くように磨くとさらに
効果的で、毛先の開いた歯ブラシは早めの交換をお勧めします。歯の表側だ
けでなく裏側もしっかり磨くことが大切で、歯垢染色液を使えば磨き残しが
わかります。
ただ、長く強く磨くだけでは歯垢を完全に除去することはできず、歯や歯
肉を傷つける恐れがありますので、電動歯ブラシや音波電導歯ブラシを使う
ときも歯に強くあてすぎないことが肝心です。食後は唾液の分泌が盛んにな
って歯を守ってくれますから、食後1時間以内に磨くのが効果的です。
歯周病や虫歯の対策など、歯の健康を保つには健康を維持して病気に対す
る抵抗力を高めることも欠かせません。高カロリー、高脂肪、高塩分を避け、
ビタミン、カルシウムなどをバランス良く摂り、良く噛んで食べると唾液が
多く分泌され、細菌を洗い流してくれます。また、喫煙して歯にヤニが付着
すると細菌の温床になりやすく、睡眠が不足すると体の免疫力が低下して歯
周病菌に感染しやすくなるので注意しましょう。
歯科技術が進歩して歯周病が進行してしまい歯を失うことになっても、義
歯や骨に直接つけるインプラントで補うことはできますが、生きた歯は感覚
器官につながっていて、噛みごたえや食感を感じることができます。これが
美味しさの要素にもなっていますので、美味しく食べるためにも、歯周病対
策を行って生きた歯を残すことが大切です。
https://www.lifestyle.co.jp/2013/07/post_653.html
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