年金の空白

ライフスタイル総合研究所



 年金の空白

投稿日:2013年03月21日 09:00

 日本は100歳以上の高齢者が5万人を超え、世界でも有数の長寿国です。
寿命は今後も延び続け、いずれ人生90年時代がやってくるとさえ予測されて
いて、社会保障費の増大による財政危機が端的に示すように、社会構造は長
寿社会への対応が遅れています。ロングライフを見据えての働き方や家族関
係、マネープラン、余暇の過ごし方など個人レベルでの見直しが迫られてい
ます。

 また、年金の支給開始が2013年4月から61歳になり、その後も徐々に年齢
が上がり、今のところ最終的に65歳になる予定です。従来、厚生年金は60歳
から受け取る事ができましたので、空白期間をどうやってやり繰りするかは
大きな課題になってきました。

 会社勤めなどで厚生年金に加入していた人が25年以上の加入条件を満たし
た場合、これまでは60歳になると厚生年金が支給されました。ところが2013
年の4月以降60歳になる男性はその時点から受け取れず、61歳になって初め
て受け取れるようになります。正確には1953年(昭和28年)4月2日から1955
年(昭和30年)4月1日生まれの人までが61歳からの支給になります。

 その後も生年月日により段階的に支給開始を遅らせる措置が進んで、最終
的に1961年(昭和36年)4月2日以降に生まれた男性は65歳で支給が始まりま
す。女性は男性より5年遅れでスケジュールが進みます。

 60歳定年で1年間の年金空白期間ができた場合どう対処したらいいのでし
ょうか?改正高年齢者雇用安定法の成立で、原則60歳の定年後も再雇用の道
が開かれましたので、定年前より給料は減りますが、働いて乗り切るのが一
番現実的なようです。退職金や貯蓄などで対応できる人もいるかと思います
が、年金が無いと厳しいという人には「繰り上げ受給」という方法がありま
す。

 繰り上げ受給とは本来受け取り始める年齢よりも前倒しで年金を受け取る
方法です。ただし、1ヶ月繰り上げるごとに0.5%ずつ年金額が減り、その
額が一生続きます。1年前倒しで繰り上げ受給をした場合、本来よりも6%
の額が減ります。基礎年金も同時に繰り上げなければならないため、基礎年
金額は5年前倒しで30%の減額になります。

 定年後に夫婦で必要な生活費は一般的に大都市で月に28万円、地方で23万
円ほどと言われています。生活保護が200万人を超え公的援助が必要な高齢
者も確かにいますが、長寿化する人生を考えたとき、元気なうちは働き続け
たいと考える人が増えてきていることは、自然なことと言えます。高齢者で
も働ける環境づくりをさらに充実させることが今後の課題となるでしょう。



https://www.lifestyle.co.jp/2013/03/post_632.html
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