サイバー戦争

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 サイバー戦争

投稿日:2012年12月06日 09:00

 工場や発電所、水道設備など社会基盤(インフラ)を制御するコンピュー
タに潜り込み、誤作動させるコンピュータウイルスが世界を脅かしています。

サイバー攻撃は核関連施設や重要施設の誤作動などを狙い、ミサイルなどの
武力による攻撃に匹敵する恐れがあり、米国防総省はサイバー空間を陸・海
・空・宇宙空間と並ぶ新たな戦場と位置づけています。

 2010年に発見されたウイルスのスタクスネット(stuxnet)はイランの各
施設を狙っていました。スタクスネットを最初に解析した情報セキュリティ
大手の米シマンテックによると、現実世界を直接攻撃するタイプの今までの
ウイルスとは全く異質で、最初はマイクロソフトのOS「Windows」の新し
い脆弱性を突くプログラムと思われていました。

 しかし、このウイルスを数ヶ月に渡って解析する内に、発電所や製油所な
どで使われる独社製の産業用制御プログラムを改変して、攻撃者の意図通り
に動かすことを狙ったものであり、単なる悪質なプログラムではないことが
分かりました。

 銀行口座情報を盗んだりするウイルスは無数にあり、現実世界に対する影
響は間接的、限定的ですが、これまでのウイルスとは違い、攻撃者の意図で
現実の設備や機械を暴走させて破壊し、直接攻撃します。

 核兵器は持っているだけで相手に脅威を与えますが、サイバー活動は目に
見えない形で活発に、執拗に行われています。サイバー兵器の場合、予め相
手のシステムに埋め込んでおくことが可能ですから、単なる悪戯やデータの
取得から、コンピュータ、インフラ、国の主要施設のかく乱と対象が広く、
相手に壊滅的打撃を与えることができます。

 サイバー兵器は国家安全保障にとって新たな脅威でですが、サイバー能力
自体、日々進化を遂げているので、サイバー対策は極めて複雑なものになり
ます。サイバー戦争は既存の国際法の枠に収まりきらず、同盟国・友好国と
共に国際的な行動規範の創出と、防御を理解するためにも、攻撃の研究を積
極的に推進する必要があります。

 日本は中国などからとみられる政府機関へのサイバー攻撃が増えているの
を踏まえて、ハッカー集団によるサイバー攻撃への対応を強化するために、
陸海空3自衛隊による統合部隊(仮称)「サイバー空間防衛隊」を2013年に
創設します。100人超の体制で発足し、サイバー対策の関連費として、100億
円の予算を計上する見通しです。



https://www.lifestyle.co.jp/2012/12/post_614.html
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