増える相続税
投稿日:2012年11月01日 09:00
多くの人にとって最大の相続資産は親の家と土地ですが、今まで、普通の
人には相続税はほとんどかからないという常識が崩れ始めています。2010年
4月からその評価額を最大8割減額できる制度が変わり、納税で多額の現金
が必要になるケースが増えています。特に親と別居している人は注意が必要
です。
相続税は従来、親が住んでいた家と土地にかかるケースは多くはありませ
んでした。実家敷地の評価額を一定面積(現行240m2)まで最大8割減額で
きる「小規模宅地の特例」が利用できたためです。何人かで相続する場合も、
相続人に配偶者か同居の親族がいれば、相続者全員が特例を利用できました。
全員別居でも5割の減額が受けられました。
一番影響を受けているのは独立して別居している子供で、自宅を所有して
いると原則、特例の対象になりません。賃貸住まいの場合でも、8割減額が
利用できるのは実家で一人暮らしの親が亡くなる3年前から賃貸住宅に住ん
でいた場合に限られます。
子どもは親と同居していれば8割減額を利用できますが、その際も家の構
造など注意が必要です。玄関が別で屋内でも互いに行き来できない構造の二
世帯住宅は原則、別居扱いになります。片方の親が存命の場合は特例が使え
ません。また、親が有料老人ホームで亡くなり、特例を使えない例も増えて
います。
ねじれ国会等の影響で相続税関連法案の審議は見送られていますが、2012
年度税制改革では更なる増税が検討されています。今回の増税案は相続税を
負担してこなかった中間層がターゲットにされています。基礎控除を3000万
円+(600万×法定相続人)と40%も増税し、生命保険金も非課税対象が厳し
くなっています。自宅と少しの預貯金・生命保険でも家族構成等によって課
税される可能性が高くなりそうで心配です。
https://www.lifestyle.co.jp/2012/11/post_610.html
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