神社の屋根

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 神社の屋根

投稿日:2012年04月27日 13:25

伊勢神宮は来年、平成25年に第62回の遷宮が行われます。持統天皇の時代から約20年ごとに行われ、1300年余りの長きに亘って連綿と続けられてきた行事は世界でも類例がありません。式年とは定まった年という意味で、遷宮とはご正殿以下、御垣内の諸殿舎をすべて新しく造り替えて、ご正殿内の御装束、神宝の一切を新調して、新しい御正殿の御神座に大御神さまのお遷(うつ)りを願うという神宮の祭典のことです。

社殿の屋根は普通の屋根と違い、少し目立つ木の棒が突き出ています。その木の棒は「千木(ちぎ)・鰹木(かつおぎ)」と呼ばれる神社建築特有のもので、相撲の土俵でも目にします。相撲は神前で行われる奉納の勝負ごとでしたので、今でも土俵は「千木・鰹木」造りの屋根になっています。千木は屋根の両端で交差させた木で、鰹木は屋根の上に棟に直角に何本か平行に並べた木のことを言い、「堅緒木」「堅魚木」「勝男木」「葛尾木」などとも書きます。

大本は掘っ立て小屋に屋根を葺いた構造の「天地根源造」と呼ばれ、現在でも伊勢神宮などの神事で用いる塩を作っている三重県の御塩殿神社の御塩汲入所に名残があります。千木の揃え方は二通りあって、先端を垂直に切り揃えるのを「外削ぎ」、水平に切り揃えるのを「内削ぎ」と言います。外削ぎは男神を祭る社殿に、内削ぎは女神を祭る社殿に用います。また、神社建築では男神の社殿は外削ぎの千木と共に陽数とされる奇数の鰹木が用いられ、女神の社殿では内削ぎの千木と共に陰数とされる偶数の鰹木が用いられます。

なぜ鰹木という呼び方になったのかという由来については確かなことは分かりませんが、古事記の雄略天皇の住居に鰹木があげられていたことが記されていて、大和朝廷では鰹の干物など、鰹の加工品の献納を課していたという記録もあります。神社にお出かけの際は屋根の上もご覧になってはいかがでしょう。



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