宇宙太陽光発電
投稿日:2011年12月06日 09:00
国連機関の国連人口基金が2011.10.31に世界人口が70億人を超えたと発表
しました。今後も人口増加のスピードは衰えそうにありませんので、増加に
伴って懸念されるのが水と食料、そしてエネルギー問題です。地球環境と合
わせて考えると化石燃料や原子力発電に頼るわけにもいきませんので新しい
エネルギー開発が必要になってきます。
我が国でも再生可能エネルギー発電の電力の全量買い取りを電力会社に義
務づける特別処置法が8月に成立しましたので、太陽光発電が本格的に普及
する可能性が出てきました。しかし、天候に左右されるという不安定要素が
強く、電力の安定供給には問題があります。そこで、天候に左右されない太
陽光発電として宇宙太陽光発電が注目されています。
宇宙太陽光発電は宇宙空間に太陽光の大規模集光装置を設置して、太陽光
エネルギーをマイクロ波やレーザー光に変換して地球に送り、電力として利
用しようというものです。二酸化炭素排出量も受電施設だけですから非常に
少なく、原子力発電のような核廃棄物処理もありませんので地球環境にも優
しいのが特徴です。従来の太陽光発電と比較しても、宇宙空間ではほぼ24時
間、365日太陽エネルギーが利用可能になりますから、半永久的なエネルギ
ーとして枯渇の心配がありません。
ただ、宇宙太陽光発電から地上に送られるマイクロ波やレーザー光の人体
への影響が懸念されますが、現在のところ人や鳥、航空機への影響がないこ
とが確認されているレベル以下のものが使用される予定です。また、マイク
ロ波とレーザー光では性質も機能も異なりますから、どのような組み合わせ
がより効率的方法なのかも含めて研究中です。
しかし、最大の問題は宇宙空間での場所争いです。エネルギーを作るのに
デメリットが少ないため、どの国も宇宙太陽光発電を現実化したい思惑があ
ります。設置場所で一番効率的とされているのが赤道上なのですが、既にGPS
や気象予報などの人工衛星が宇宙空間に多数あり、有効とされる空間は限ら
れています。
エネルギーはロングスパンで考える必要があり、100年のスパンで考えれ
ば化石燃料もウランも枯渇してしまいます。近い将来再生可能エネルギーに
転換しなければならないことは世界中の人々が考えていますが、宇宙に何キロ
にも及ぶ集光装置を設置するのには莫大なコストもかかります。技術的には
可能ですから、資金的にも世界が協力する国際的なプロジェクトとして進め
ていく必要があります。
https://www.lifestyle.co.jp/2011/12/post_549.html
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