アスベスト封じ込め技術
投稿日:2011年11月08日 09:00
地元建設会社、不動産会社などで構成する宮城県復興プロジェクト協議会
(豊澤一浩理事長)とアスベスト封じ込め技術のノウハウを持つメーカーな
ど8社からなる石綿対策新技術連絡会議(代表・小野沢肇理事)は2011.9.14
宮城県亘理町鳥海のガレキ一次仮置き場で、新工法によるアスベスト封じ込
め作業の実証デモンストレーションを行いました。
無機化合物から形成した薬剤はアスベスト繊維と反応するとその針状の結
晶に団子状に固着し、吸引しても肺に刺さりにくくなります。作業手順は、
事前に水で湿らせた対象物に薬剤を吹き付けるだけで、薬剤が水を追いかけ
る性質を利用して水の浸透に伴い薬剤が反応していく仕組みです。建物の解
体時や破砕・選別作業の際に行う粉塵飛散防止の散水と同時に行えるため、
作業スピードを阻害することなく手軽に実践できます。
当日は両組織のメンバーのほか、地元亘理町の職員など約30人が立会い、
協議会会員の宮城林産(佐藤文彦社長)の後援の下、実験を行いました。コ
ンクリートのガレキの山と降雨によってアスベストが流下、堆積していると
見られる現場の砂の山の2つを対象に一連の作業手順を公開しました。対象
物に薬剤のアルカリ性と反応し発色するフェノールフタレイン液を吹き付け、
浸透効果を実証しました。
協議会の豊澤理事長は「被災地では住民をはじめ、ガレキの解体撤去に当
たる作業員や善意で来ているボランティア、そして子どもたちの健康が脅か
されている。この試験を成功させ、この地の安全性を確保する仕組みを地元
から作り上げていきたい」と語っていました。
今後は今回の選別済みのがれきとは異なる対象への検証を行うため、石巻
市の損壊建物の解体現場で再びデモンストレーションを行い、それぞれの実
証結果をデータ化して市町村や県に事業化を訴えていく方針です。
https://www.lifestyle.co.jp/2011/11/post_546.html
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