心拍数と寿命

ライフスタイル総合研究所



 心拍数と寿命

投稿日:2011年03月18日 09:00

 東北大学や欧米などの調査で、脈が速いと死亡リスクが高くなるとの報告
があります。血圧が正常でも心拍数が70回以上の人は、そうでない人よりも
心臓病によるリスクが約2倍に増加します。高血圧の人は心拍数の増加に伴
い、心臓病で死亡する割合が高く、心拍数が減少すると様々な病気による死
亡が減るようです。

 名大病院出身で東邦ガス診療所の林博史所長が、心筋梗塞で倒れた患者の
その後を調査した結果、脈が速い人は回復に時間がかかったことから、心拍
数が影響しているのではとの結論にたどり着きました。ただ、心臓病専門医
の間では人間の一生の心拍数に決まった限界があるとの考えに否定的な意見
が多く、心拍数の増減は自律神経に左右されており、一部の不整脈のように
心臓自体に問題があることは少ないと話しています。

 人間の心臓は一分間に60から80回の収縮、拡張を繰り返して体全身に血液を
送り届けています。右心房にある洞結節で電気信号が作られ、ペースメーカ
ーとなって規則正しく拍動します。運動やストレス、緊張で交感神経が優位
になると、どんどん電気信号が作られ、脈拍が上がります。逆にリラックス
して副交感神経が優位だと、脈拍は下がります。

 国際医療福祉大学三田病院の小川院長によると、脈拍を早くする主な要因
は、喫煙、肥満、高血圧、糖尿病でいずれも自律神経のバランスを崩しやす
く、脈が速いから短命になるのではなく、早い人は生活習慣病を抱えている
ケースが多いため、結果的に死亡リスクが上がるとの見解を示しています。

 適切な心拍数は一分間に70回程度ですが、心拍数を下げたい人は毎日、分
速80?の早歩きを最低20分続けると、3から4ヶ月たった頃には平常時の脈拍
数は4から10減り、自律神経の過剰反応は抑えられます。心拍数と寿命の関係
に個人差はありますが、早歩きなど適度な運動が長生きには欠かせないよう
です。



https://www.lifestyle.co.jp/2011/03/post_497.html
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