多彩なゴミ袋

ライフスタイル総合研究所



 多彩なゴミ袋

投稿日:2010年06月14日 09:00

 桜の花びらや魚、クマ、ネコ、ウサギなどカラフルなデザインのゴミ袋が
人気を集めています。ゴミを捨てる人の心を明るくするのと同時にゴミ問題
への関心を高める狙いもあります。

 ゴミはプライバシーの固まりだから、中身が見えないことが良いとされ、
かつては町中が真っ黒なゴミ袋であふれていた時代がありました。一方で分
別を怠る人の増加や自治体のゴミ処理費用が膨らみ続けるなどの弊害から
1990年代半ばから資源循環型社会へ変わり始め、分別に効果があるとのこと
で半透明の袋に切り替えられました。

 観光客でにぎわう神奈川県の江ノ島では、ボランティア団体の「海さくら」
が2006年4月からゴミ拾いを行っています。以前は企業から提供された薄緑
色のゴミ袋を使っていましたが、2009年から赤い花や水色の魚を印刷したか
わいいゴミ袋に変更しました。参加した小学生の女の子からは、かわいいゴ
ミ袋なので普通のゴミ袋よりやる気が出たと好評で、袋を変えてからは参加
者も増加しました。

 鹿児島市では、2009年7月から指定ゴミ袋を市民がデザインしたものに切
り替えました。一つひとつの袋に伊佐市名物のサクラなどが描かれていて、
切り替わった地区では可燃ゴミの収集日早朝の集積所は鮮やかなピンク色に
染まります。市ではイラストなどに子供が感心を持てば、将来的にゴミの排
出量の減少やマナーの向上につながると考えています。

 神戸市では指定ゴミ袋のデザインを公募し、ゴミの種類のイラストと共に
キャラクターが「分別守ってニャン」と呼びかけます。現在では、変更する
1年前と比べて家庭ゴミ全体の排出量が22%減って、1世帯当たりに換算す
ると、1ヶ月で約12kgも減る大きな効果が出ています。

 ゴミ減量や分別促進の他にも意外な効果があります。以前より袋がきれい
に積まれるようになったとの声もあるように、ゴミ集積所の見た目が美しく
なったことです。青い魚や赤い花、緑の木のついたゴミ袋は、積み上げると
魚の大群や花畑、森のように見えます。横に並べたり、山の上に置いたり、
ゴミ袋アートの一部を作っていると考えるとゴミ出しも楽しくなり、丁寧に
置くようになったのでしょう。



https://www.lifestyle.co.jp/2010/06/post_420.html
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