都会で養蜂
投稿日:2010年02月17日 09:00
最近は都会でミツバチを見かけることが増えています。個人の趣味だけで
なく、町興しや近隣住民とのコミュニケーション、ビルの屋上などの有効利
用でミツバチを飼い始めたグループや企業が増えています。東京23区で最近
ミツバチを飼い始めた主な団体や企業としては銀座ミツバチプロジェクト、
自由が丘商店街振興組合、鹿島建設、東京穀物商品取引所、恵比寿ガーデン
プレイスなどがあります。首都圏や関西では退職者が趣味で飼うケースが多
いのですが、不況の影響で副業としてハチミツを売るために飼う人も増えい
て、書店ではミツバチ飼育の入門書も見受けられます。
ミツバチの種類にはセイヨウミツバチとニホンミツバチがあります。セイ
ヨウミツバチはもともとヨーロッパからアフリカ、中近東にかけて分布して
いた種類を人間が養蜂に利用するために飼育したものです。ニホンミツバチ
はもともと日本列島に住んでいたミツバチです。セイヨウミツバチが移入さ
れる前、江戸時代には紀州藩でニホンミツバチを使った養蜂が盛んに行われ
ていました。
飼育については、ミツバチはエサを自前で調達し、巣も自ら掃除するので
意外と手間がかからないようです。また、東京ではミツバチが嫌う農薬散布
が農村より少ないだけでなく、皇居などミツ源の多い緑地が割と多くありま
す。銀座ミツバチプロジェクトでは銀座をハチミツのとれる都会の街にして
魅力を高めようと飼育を始め、2009年のハチミツ生産量は780??と前年国
内生産量の0.3%になっています。銀座のレストランなどが地元産のハチミ
ツを生かしたメニューや製品を名物としています。
海外の都市の例では、パリがエッフェル塔はじめ6カ所以上でミツバチを
飼い、ハチミツを土産物として販売しています。ロンドンでは個人の屋上養
蜂が盛んのようですし、ニューヨーク市内では400カ所ほどでミツバチが飼
われていて、生態系へのよい影響が評価されています。
ミツバチは植物の受粉を助け、できた果実に鳥や虫が集まることから生態
系の維持につながる生物多様性の保全に役立つとされています。建設会社や
総合デベロッパーは屋上緑化、ミツバチが飼育できる緑地環境の整備や保全
で不動産の価値を高める目的もあるようです。
https://www.lifestyle.co.jp/2010/02/post_386.html
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