増える空き家
投稿日:2009年11月16日 09:00
人が住まない「空き家」が全国で増えています。総務省が2008年に実施し
た調査によると、住宅の全国総数5759万戸の内、空き家は756万戸と5年前
に比較して14.6%も増加しています。住宅総数に占める割合は約13.1%と住
戸の8戸に1戸が空き家になっています。空き家になるケースとしては、一
人住まいの高齢者が死亡したり、施設に入ったりするなどして空き家になる
ケースが多いようです。親が亡くなるなどして空き家になっても、子ども世
代が遠方に自宅を持っていれば、十分な管理をすることができません。少子
高齢化と核家族化で今後も増え続けそうです。
人が住まなくなると、庭の雑木や雑草が伸び放題となり、隣接家屋にまで
生い茂ることが少なくありません。また、家屋が傷むだけでなく、崩壊した
りといった周りの住民にとっても迷惑になる状態になりかねません。自治体
にも空き家に関する苦情や相談が増えていて、宇都宮市では2008年に約150
件の相談が寄せらています。所有者に文書で対応を要請してもそのまま放置
されるケースが多く、財産放棄などで管理者がはっきりしないケースもあり
ます。
富山県の滑川市では土地、建物を市に寄付することを条件に、市街地の老
朽化した空き家を公費により解体しています。倒壊など周囲に危険を及ぼす
可能性が高い家屋だけが対象になります。遠方の持ち主が、実家が傷んでき
たため台風のニュースを聞くたびに倒壊して近所に迷惑をかけるのではない
かとの心配から解体を依頼したケースもあります。
老朽化した空き家が増える一方で、住み続けることが可能な空き家も多く
あります。このため、空き家の貸し出しや売却を希望する住民と移住希望者
を仲介する「空き家バンク」を手がける自治体も出てきました。空き家率が
20.2%と最も高い山梨県で、空き家バンクの活用により2006年以降約40件が
成約に至っています。件数は多くないようですが、賃貸であれば情報を公開
して10日間程度で借り主が決まります。多少の補修をすれば住める空き家も
多いようで、企業が社宅として利用するなど、空き家の活用を広め、流動化
させる必要がありそうです。
https://www.lifestyle.co.jp/2009/11/post_365.html
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