食物繊維

ライフスタイル総合研究所



 食物繊維

投稿日:2009年08月03日 09:00

 体の毒素の約75%は大便によって排出されます。大便の排出がうまく機能
しないと、体の毒素が血液に入り込んで肌荒れや口臭だけでなく、肝臓や腎
臓などの臓器にも負担をかけることになります。腸の善玉菌を増やして排便
を促すためにも食物繊維は欠かせません。

 食物繊維とは「人の消化酵素で消化されない食物中の難消化成分」と定義
されています。食物繊維の主な働きとしては、1.消化器官の働きを活発にす
る。2.便の容量を増大させる。3.腸内細菌の活動を活発にさせる。などがあ
げられます。

 五大栄養素として、たんぱく質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラルがあり
ますが、これらに続く「第六の栄養素」として食物繊維は大変に重要です。
代表的なものとして、植物に含まれるセルロースやペクチン、動物に含まれ
るキチンなど、いろいろな種類があります。

 食物繊維は、水に溶けにくい「不溶性食物繊維」と水に溶けやすい「水溶
性食物繊維」の二つに分けることができます。水溶性食物繊維は、熟した果
物などに含まれていて、食後の血糖値の急激な上昇を防いだり、コレステロ
ールの吸収を抑制したりする効果が確認されています。不溶性食物繊維は、
野菜や穀類、豆類等に多く含まれています。

 食物繊維は腸内細菌のエサとなり、善玉菌であるビフィズス菌を増加させ
て腸内環境を改善してくれます。大腸の働きを促がして、消化器官の活動を
活発にすることは、スムーズな便の排泄につながります。ヨーグルトのビフ
ィズス菌を摂取する方法もありますが、大半は胃酸で壊されてしまいますか
ら、わずかなビフィズス菌しか腸まで到達できないようです。

食物繊維を摂ると、適度な水分を含んだ便が大量にできます。この中にコ
レステロールや余分な糖、発がん物質などが吸収され、体内に蓄積されるの
を防ぎます。そして、腸の中で不必要に滞ることなく、食べた物は約24時間
で体外へ排出されますから、生活習慣病の予防には理想的な役割を果たしま
す。又、がんの予防効果を期待する意見もあって、健康医学の分野で注目を
集めています。

しかし、最近では食生活の欧米化で、肉や乳製品の摂取が増え、食物繊維
の摂取量は減ってきています。成人の1日の摂取量目安は、20-25g程が目
標になっていますが、現状は60歳以上の成人で11g、60歳未満の成人では8
g程しか摂取できていません。

 食物繊維20gは、ゴボウで約2本、カボチャ半個、にんじんなら3-4本に
相当します。豆類やゴマ、キノコ類のほかヒジキやワカメ、寒天などの海草
類にも多く含まれています。コメを中心とした日本食には多くの食物繊維が
含まれていますので、腸内環境の整備には適しています。

 糖尿病や肥満予防、アンチエイジングにもつながる食物繊維の摂取を心が
けましょう。



https://www.lifestyle.co.jp/2009/08/post_332.html
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