「住まいの防犯対策」1

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 「住まいの防犯対策」1

投稿日:2009年07月10日 09:00

 刑法犯の認知件数は平成14年をピークに年々減少しています。2009年も昨
年同期に対して全国では少しですが、減少しています。因みに、私の住んで
いる静岡県は増加傾向にあります。犯罪は平成に入り、年々増加し、1989年
と2002年では2.5倍近くに増加しました。

 犯罪防止はそれまで警察が主になり、国民の殆どが警察の仕事と思ってい
ました。しかし、2001年に当時の警察庁長官が定例会見で警察だけで対応す
るのは難しいと警察力だけの限界を指摘しました。それからは、行政が犯罪
対策に加わり、警察は検挙することに力を入れるようになりました。行政は
行政の組織だけではなく地域住民にも防犯活動をしてもらう取り組みをする
ことになりました。

 地域的には防犯活動を盛んに行なっている地域とそうでない地域があり、
その差は行政の力の入れ方と地域のリーダーの意識の違いで決まります。皆
様の地域の犯罪件数が多ければ地域での活動が不足していると思って間違い
でないでしょう。それは住まいを狙う侵入盗だけでなく、自転車盗、自動車
の車上狙い、引ったくりなどが多ければ住まいも狙われ易いのです。

 住まいの防犯対策をする前に現在のお住まいはどのような環境にあるのか
確認することが必要です。住まいの防犯対策は、防犯環境という住まいだけ
ではなく住まいの廻りの地域環境も考慮に入れる必要があります。

 お住まいの地域は市街地ですか?新興住宅地ですか?駅の近くですか?近
くに幹線道路がありますか?周りの道路は綺麗ですか?落書きやチラシの貼
り紙はありませんか?近くに公園や駐車場はありますか?廃工場や空き家は
ありますか?コンビニはありますか?角地ですか?周りの家に比べて目立っ
ていますか?今の質問に当てはまる項目があれば注意が必要です。

 侵入盗には大きく分けて2種類あります。家に誰も居ない時に入り、金品
を盗む空き巣、家に居るにも関わらず侵入し、金品を盗む忍び込みです。忍
び込みは深夜就寝後に入ってくる場合とリビングで家族みんなでTVを見て
いるときに入ってくる場合があります。

 2003年に警察庁が侵入盗の犯人(泥棒)にアンケートを取った結果では、
犯行をする前には下見をしています。皆さんも仕事をする前に見積りをした
り、仕事の段取りをしたりすることと同じでいきなり来て犯行に及ぶわけで
はありません。どんな点を気にすると思いますか?周辺の環境で気にするこ
とは、1番目に人目につきにくいこと、2番目に入り易くて逃げ易いこと、
3番目に留守の家が多いことなどです。

 犯行に入ろうとする家の下見のときにどこを気にするかという問いについ
ては、1番目に留守である、2番目に入り易くて逃げ易い、3番目に近所か
ら見通しが悪い、そしてお金が有りそう、犬がいるかなどと続きます。因み
に、犬が居る家の場合、泥棒は下見の時に餌を与えて手なずけておきます。
犯行におよぶ時には犬は吼えずに尻尾を振ってくるそうです。TV番組でもこ
のような実験をした結果、殆どの犬が餌を食べにきました。

 留守で人目に付きにくく、入り易くて逃げ易い家が狙われ易いことになり
ます。
             NBDesign 防犯設備士&一級建築士 杉山克秀

 防犯アドバイザー 杉山 克秀
 1979年日本大学生産工学部卒業。レーモンド設計事務所他勤務の後、
 1991年杉山建築事務所設立。現在、NBDesign

 一級建築士として、設計、工事監理、欠陥住宅の相談業務に従事する一方
で、「しずおか防犯まちづくりアドバイザー」、県警本部委託の「くらしの
防犯伝導士」として、地域防犯の推進に取り組んでいる。また、防犯設備士、
防犯診断士の資格を有し、建築設計の視点から、空き巣対策に効果のある住
宅設計上の工夫や、防犯設備、防犯機器について助言している。

 お問い合わせはライフスタイル総合研究所 03-3449-1021 までご連絡ください。



https://www.lifestyle.co.jp/2009/07/post_330.html
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