シェアリング
投稿日:2009年03月23日 09:00
世界的な景気の後退から経済活動は縮小の方向に向かっています。個人の
消費も減少傾向ですから、共有出来るものは共有するといった方向に少しず
つ意識が変わってきました。ワークシェアリングやカーシェアリングなどの
言葉は以前から使われていましたが、最近よくシェアしようなどと短縮した
形で使う人が増えています。シェアリングを日本語にすると“わかちあい”
という意味が最も近いようです。
ワークシェアリングは1人の仕事を複数の人で分け合う制度で、不況時な
ど1人あたりの労働時間を減らして、全体の雇用を維持する狙いで導入され
ます。景気の悪化で雇用不安が急速に広がっていますから、再び注目されて
いる制度です。
都市部では、車の維持費や駐車場代などの負担を嫌ってマイカー離れが加
速していますから、必要な時にだけ利用できるカーシェアリングのニーズは
今後増えると予想されます。事前に登録した会員は、貸し出し拠点に置かれ
た車をパソコンや携帯電話を使って予約し、使いたい時に携帯電話で通信セ
ンターにアクセスしてドアロックを解除して利用します。
また、最近では車を共有するカーシェアリングだけでなく、自転車や洋服、
バッグのようなごく身近なものにまでシェアリングが広がっています。経済
的な理由だけでなく、持たないことの気楽さや共同利用する仲間とのコミュ
ニケーションや連携がシェアの人気になっています。
利用者がインターネット上でシェアを希望するアイテムを登録し、共同利
用者を募るサービスもあります。人気があるのはキャンプ用品や結婚式に招
待された際に必要な衣装やハンドバッグなど、季節や利用日数が限定される
物やいざというときに持っていないと困るといった物が多く、30?40代の主
婦からは使わなくなったベビー用品やダイエット用の器具などが出品されて
います。
利用者の多くは、あえて所有にこだわらないという人や合理的に物を利用
することは環境への取り組みにもつながると考える人が増えています。まだ
着られる服を捨てるのは心苦しいが、シェアに出品すれば誰かが使ってくれ
るので物を無駄にしなくて済むのがいいと言う意見もあります。
多人数で一戸建住宅やマンションを共同利用するルームシェアリングは、
オフィス空間にも広がっています。デザイナーやウェブプログラマー、コン
サルタント業などの一人で仕事をしている人の希望が多く、利用者同士のコ
ミュニケーションにも期待感を持っています。シェアという言葉の響きも利
用者を増やしていて、レンタルだと貸してもらっているという意識が働いて
しまいますが、シェアならみんなで共有しているという感覚を持てますから
抵抗が少ないようです。
買うことや所有することにこだわらない「シェア」する人が増えそうです。
https://www.lifestyle.co.jp/2009/03/post_298.html
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