「新型インフルエンザ対策」1
投稿日:2008年12月26日 17:23
いま、世間で騒がれているインフルエンザが変異し、人から人に感染するようになったものが「新型インフルエンザ」です。この新型インフルエンザは、これまでに類を見ないほどの「強毒型」になる可能性が高く、感染すれば、全身の臓器を破壊し死に至るという、非常に恐ろしい感染症なのです。
現在、世界各地で新型インフルエンザの元となる鳥インフルエンザに感染した鳥の死骸が2億2000羽も確認されています。さらに、鳥インフルエンザが人に感染するケースが世界各地で増加しています。ある地域では、人から人への感染も起こりました。このような状況になった今、新型インフルエンザの発生は時間の問題です。こうしている間にも、想像を絶するスピードでウイルスは変異を繰り返し、新型に近づいているのです。
これまでのインフルエンザとは全く別のタイプなので、地球上の誰もが免疫力を持っていません。また、最も効果的な予防手段であるワクチンの開発・製造には約半年もかかります。インフルエンザウイルスは、咳やくしゃみなどの飛沫に混じって、空気中を漂います。どこかでひとりの感染者が咳をするだけで、その周囲の人が感染し、そこから爆発的な勢いで感染を拡げていきます。
人の往来が活発な高速大量輸送時代の今日、世界のどこかで新型インフルエンザが発生すれば国内への侵入を完全に防ぐことは不可能です。現時点では、タミフルなどの抗インフルエンザ薬の絶対数が不足しており、まず医療従事者などから優先して分配されます。また、医療機関の受け入れ体制も十分ではなく、数多くの患者が殺到してパンクしてしまう可能性もあります。
そのため、行政に任せっきりにせず、自己防衛することを前提に対策を立てる必要があります。
新型インフルエンザの大流行(パンデミック)に備えて、私たちは何をすべきなのか?そして、もし大流行が起こってしまったら、自分と家族を守るために何をすればよいのか?食糧・日用品の備蓄リスト、および感染しないための注意事項は?また、パンデミックになってしまえば、病院も満員になり、自宅療養をしなければならない場合も考えられます。その際の基礎的な看護の方法は?
■パンデミックに対する準備
1.備蓄する食糧や日用品
食糧は長持ちするもの、日用品は幅広く揃えましょう。食糧は、缶詰やミネラルウォーター、切り餅など長持ちするものを選びます。日用品は、マスクやゴム手袋、常備薬といった医療グッズから、携帯コンロや懐中電灯など、ライフラインが途切れたときを想定した非常時用品が必要になるでしょう。
2.家族で話し合っておくこと
情報の共有が大切です。備蓄した食糧の保管場所、基本的な看護の仕方などをあらかじめ話し合っておきましょう。病気への対応の仕方を理解しておくことも重要です。たとえば、水分をできるだけこまめに摂ること(看護する場合は、少しずつでも与えること)や、下痢をしたときの汚物の処理の仕方なども重要になってきます。
■感染を防ぐには
1.外出時に気をつけること
マスク、ゴーグルを装着しましょう。流行時の外出は感染する危険性が高いので、不要不急の場合以外は避けるべきです。外出しなければならない場合には、ウイルスは口のほか目からも感染しますので、マスクやゴーグルを装着し、できるだけ人混みを避けましょう。また、外出時に着用した衣類は、帰宅後、すぐに洗濯しましょう。
2.マスクを着けるときの注意点
隙間がないように着けます。マスクは、ウイルス対策用に売られているものを使いましょう。装着時には、できるだけ隙間ができないように注意します。特に鼻のまわりは隙間ができやすいので、注意してください。また、マスクは使い捨てです。マスクの外側にはウイルスが付着していますので、外から帰ったら、玄関でビニール袋に捨て、部屋に持ち込まないようにします。
そして、すぐに手洗いとうがいを十分にしましょう。マスクを着けているからといって、絶対安全ということはありません。用もなく外出することは避けてください。
3.手を洗うとき・うがいをするときの注意点
手のひらだけでなく、手の甲まで洗う必要があります。手のひらだけでなく、手の甲・指の間までしっかりと流水で洗いましょう。また、ウイルスを除去するために、石けんを使いましょう。うがいは、イソジンなどのうがい薬を使用しましょう。
国立感染症研究所ウイルス第3部研究員 岡田 晴恵 氏
https://www.lifestyle.co.jp/2008/12/post_286.html
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