雨水の活用

ライフスタイル総合研究所



 雨水の活用

投稿日:2008年08月21日 09:36

 地球温暖化の影響による異常気象など地球環境の悪化が原因で水不足が広がっています。今、この瞬間にもアジアやアフリカなどでは安全な飲料水を確保できない人々がおよそ12億人といわれています。不衛生な水しか得られず、毎日6000人の子供たちが亡くなっています。

水不足は最近頻繁に発生していて、中近東やアフリカの乾燥地帯ではさらにひどく、水が枯渇して砂漠化が進行し、生活が出来ない為に村や町が消滅して極めて深刻な状況になっています。

 水を確保する技術はいろいろとありますが、例えば逆浸透膜を使って分離し、真水を作る装置や地下深く井戸を掘り、強力なポンプで水を汲み上げ、飲料水や農業用水として使用する方法があります。しかし、これらの技術には高額な設備機器と共に動力のエネルギーが必要になります。

 降雨の少ないアフリカでは雨水の利用が非常に大切で、電気もエネルギーも使わずに身の回りにある道具を使って少ない雨をできるだけ多く集める工夫が昔から行われています。もちろんこれだけで砂漠化に対応できる訳ではありません。

 「墨田区環境保全課」にお勤めで、「雨水利用を進める全国市民の会」を立ち上げている村瀬誠さんによると、都会の雨はコンクリートやアスファルトに覆われた道路から下水に流され、土地を潤すことも地下水として活用されることもなく、捨てられているそうです。

 東京だけでもそうして捨てられる雨水は、年間の水道使用料約20億?を上回る25億?にもなります。自然の恵みの雨水を捨てながら、遙か上流にダムを造ってその水源に頼っているのが東京です。なぜ、この雨をもっと有効利用しないのかというのが村瀬さんたちの活動です。

 具体的には樹脂製や金属製、リサイクル製品でできた様々なタンクを雨樋に少し手を加えて設置しています。タンクは一般に市販されていますし、現在全国50の自治体で雨水助成金を交付していますから、これを利用すると半額で設置が可能になります。

 溜めた雨水は弱酸性で、洗車や散水、池の水に利用できます。都市部の場合はそのまま飲み水にすることはできませんが、濾過や煮沸によって飲用することも可能になります。又、雨水は災害などの緊急時の備えにもなります。
 しかし、雨水を利用することができる大前提に、大気がきれいである必要があります。雨水を溜めると、その大気のきれいさで汚れの度合いが変わってくるからです。今世紀は、人口増加で食糧不足も問題になっていますが、食糧増産にも雨水は欠かせません。

 日本は世界的にみても雨に恵まれている国といえます。水は資源の時代ですから、雨水の活用が普及していくことで近い将来、日本の輸出品に雨水から作った水が加わるかもしれません。



https://www.lifestyle.co.jp/2008/08/post_269.html
コメントなどを募集中!
コメントしたことがない場合ライフスタイル総合研究所の承認が必要になります。承認されるまではコメントは表示されません。




ライフスタイル総合研究所について会社概要業務内容営業拠点 
Copyright(c) 1997 by (株)ライフスタイル総合研究所