悪性腫瘍の治療

ライフスタイル総合研究所



 悪性腫瘍の治療

投稿日:2008年08月01日 09:36

 私達が長く専門としてきた動脈塞栓術を、がん治療や今まで治療の難しかった病気に応用したいと願い、関西空港の対岸にあるりんくうゲートタワービルに『ゲートタワーIGTクリニック』を5年前に開設いたしました。

 IGTはImage Guided Therapyの頭文字で、CTや血管造影などの画像をガイド役にし、カテーテルという細い管を使って、身体を切らずに病気を治療するという意味を3つのアルファベットに込めたものです。

 この5年間、私達はこの新しい治療が肝臓癌をはじめとする多くの癌、血管奇形、子宮筋腫の患者様に道を開くと信じて診療してきました。患者様に多くの事を教わりながら、私達の診療がどうあるべきかを考えてきました。そして今、6年目を迎え、この治療法の確かな手ごたえを感じています。

 血管内治療とは、動脈や静脈にカテーテルといわれる細い管を挿し込んで血管の内側から治療する方法です。大きく2つに分けて、血管を内側から広げる血管拡張術と、血の流れを止める血管塞栓術があります。当院では血管塞栓術(動脈塞栓術)を専門としています。

 動脈塞栓術とは、腫瘍に栄養を送っている血液の流れを止めて、腫瘍が育つのを阻止したり、壊死させる治療法です。当院では主にSAP-Microsphere(サップ・マイクロスフェアー)という塞栓材料を使用しています。開腹手術に比べて体の負担が少なく、短い入院期間で治療できます。

当院での動脈塞栓術の適応は以下の通りです。
・肝細胞がん、悪性腫瘍の肝転移
・その他の悪性腫瘍
・血管形成異常
・子宮筋腫

 肝細胞がんに対する動脈塞栓術を例にとって実際の治療の流れをご説明します。まず、マイクロカテーテルと呼ばれる細い管を動脈にいれ、腫瘍が栄養としている動脈まで進めます。このマイクロカテーテルから、腫瘍内部の血管の太さに相当する塞栓材料を注入します。

 塞栓材料は腫瘍の動脈まで流れ、この動脈の流れを止めます。腫瘍は血液からの栄養が絶たれ、兵糧攻めを受けた状態になります。さらに完璧に血流を遮断するために、もう少し太い血管も詰めたいときには、もう少し大きな塞栓材料をカテーテルから注入します。十分に血液の流れが止まったことを確認して塞栓術を終了します。

 当院では、この治療を専門とする医師、看護師、放射線技師が集まり、高い診療レベルを保ち、この治療を可能にする高度の放射線診断機器を導入しています。保険診療の中では様々な制約がありますが、出来るだけ快適な診療環境を整え、ストレスの無い治療を受けていただけるようにしています。

 当院は関西空港の対岸という、交通の便が極めてよいところにあります。日本全国からこの治療を必要とする患者様に来ていただき、今では日本で最も症例数の多い施設の一つとして活動することが出来るようになりました。当院で培った技術と経験を一人でも多くの医療者に伝え、IGTの治療を全国に拡げていくのも私達の夢です。

 この5年間に多くの方々から暖かいご支援と励ましのお言葉を戴いたことを感謝しています。そしてこれからも、患者様と医療を行なう私達が共に安心し、納得できる医療を築いていきたいと願っております。

ゲートタワーIGTクリニック  院長 堀 信一

大阪府泉佐野市りんくう往来北1番りんくうゲートタワービル11階
072?463?0855
http://www.igtc.jp/index.html



https://www.lifestyle.co.jp/2008/08/post_266.html
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