家庭用燃料電池
投稿日:2008年04月18日 09:41
家庭のエネルギー革命といわれる家庭用燃料電池の実用化が現実味をおびてきました。火力発電所のエネルギー効率は約40%ですが燃料電池は約80%と効率の高いのが特徴です。水素と酸素の化学反応で発電し、排熱も給湯などに活用する2段階方式です。省エネに加えて二酸化炭素の排出量も少なく、次世代のクリーンエネルギーの本命といわれてきました。
しかし普及の課題は、燃料電池1台が400万から500万円と高い価格にあります。メーカー各社が増産に向けて動き出したこともあり、近い将来は薄型、大型テレビの価格と同じ50万円程度で商品化できそうな目処が立ってきました。
家庭用燃料電池の出力1??級の装置では、標準家庭の消費電力の約6割を賄うことができます。さらに排熱を利用して貯湯槽から台所や風呂、床暖房への給湯も可能です。一般家庭の光熱費は、年間3万から6万ほど下がる計算になります。また、二酸化炭素の排出量も火力発電所が同じだけの電力を供給する場合に比べると約3割ほど減らせることになります。
家庭用のシステムでは、水素を取り出す燃料に灯油や液化天然ガス(LPG)、都市ガスを利用します。このため新日本石油や出光興産などの石油会社や東京ガス、大阪ガスなどが国の助成金を活用して一般家庭への普及を進めています。
現在最も販売台数が多いのは新日本石油の製品で、三洋電機と新会社を設立して2008年度から本格的な普及に向けた増産に動き出しました。松下電器産業も滋賀県で量産工場を建設するほか、荏原も神奈川県の工場を増設、出光興産も増産に向けた計画が進んでいます。
燃料電池の設置には、年間6万円程度の契約料金がかかりますが、補助金により初期導入費用を賄うことができます。石油元売りや都市ガス各社は、オール電化で攻勢をかける電力会社と競争が激化しており、生き残りには燃料電池の普及が欠かせない状況になりそうです。新築一戸建てやリフォームの件数から考えると家庭用燃料電池の需要は年間55万世帯分あるとの試算もあります。
https://www.lifestyle.co.jp/2008/04/post_257.html
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