食料自給率

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 食料自給率

投稿日:2008年03月03日 09:40

 中国製の冷凍餃子の一部に殺虫剤の成分が含まれていたことから、食品の回収と原因の究明が急がれています。又、同時に輸入食品の安全性もクローズアップされています。

 食料品の多くを輸入に頼っている日本では、食糧自給率はどれくらいあるのでしょうか。食糧自給率とは、国民が食べている食料を国産でどれだけ賄うことができるかの割合を示す数字です。一般的なのはカロリー(熱量)ベースでの自給率になります。日本人が一年間に消費した食料をカロリーに換算したものを分母に、国内で生産した農作物や魚介類すべてをカロリーに換算したものを分子にして計算します。国内で消費せず、輸出に回したものも分子に含まれます。

 カロリーベースで1965年に73%あった自給率は、1998年まで一貫して下がり続け40%に推移し、2006年度の自給率は39%に下がりました。自給率が下がってきた理由としては、「ご飯に魚や野菜」という食事から「パンや肉中心」の食事に変わった食の欧米化が原因と農水省は見ています。国民一人あたりの年間コメ消費量は1960年度には114??でしたが、2006年度には約半分の61??に減っています。逆に肉類など畜産物は32??だったのが、137??と4倍以上に増えていて、油脂類も3倍と大幅に増加しています。

 コメの自給率は2006年度は94%、ほぼ輸入に頼っている大豆は5%しかありませんでした。穀物自給率(重量ベース)では、1965年に62%だったものが、2003年度には27%に低下していて3割に満たない状況です。

 世界の先進国を見ると、農業大国である米国やフランスは食料自給率が100%を上回っています。ドイツや英国などは70?80%台で、40%を下回っている日本は極めて低い水準といえます。政府は食料自給率を2015年度までに45%に引き上げることを目指して、コメを中心とした日本食への回帰をPRしていますが、コメ離れは止まっていないのが現状です。

 現在、輸入している農作物などをすべて国内で生産しようとすると、農地は1200万?必要との試算があり、現在の農地面積の約2.5倍に相当します。国内の食糧需要を国内だけで賄うのは困難な状況です。国内に水田は250?ありますが、そのうちの3分の1が転作や耕作放棄で有効に活用されていません。日本の土地を徹底利用するためにはプロの農家の育成と支援が必要になります。

 日本の商社が価格競争で、海外の商社に買い負ける事態もありますので、食料争奪戦は現実のものとなってきました。韓国は日本に先行して米国と自由貿易協定(FTA)を結んでいますが、食糧確保のためには国内生産の拡大とともに、FTAを通じた食料貿易の拡大、食糧輸入国の多様化など海外からいかに安定的に食料を調達するかがカギになりそうです。



https://www.lifestyle.co.jp/2008/03/post_250.html
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