動画共有サイト
投稿日:2008年01月24日 09:29
最近、インターネットの「動画共有サイト」の利用者が増えています。動画共有サイトとは、利用者が動画を投稿し、その動画を他の大勢の利用者がパソコンで見るサービスです。「投稿する(見てもらう)」と「見る」の二つの楽しみ方があります。代表的なサイトに2005年に米国で生まれたユーチューブ(YOUTUBU)やフランスのデイリーモーション、日本ではニコニコ動画やMiXi動画、アメーバ・ビジョン等があります。
これまで情報発信というとSNSやブログ、2チャンネルのような掲示板サービスが中心でしたが、これらが扱うのは主に文字情報や写真です。動画は文字に比べてデータ量が非常に多く、なかなか容易ではありませんでしたが、巨大なデータの量を処理できる動画共有サイトができたことで、動画の情報発信が一気に広がりました。
利用方法は簡単で、投稿は動画をネット経由でサイトに登録するだけです。タイトルを付けたり、見る人が検索しやすいようにキーワードを付けたりすることもできます。一方、投稿動画を見るだけならもっと簡単で、サイトを開けば閲覧できます。多くのサイトは無料で、テーマや人気ランキング順に並べるなどの工夫もしてあります。ユーチューブの利用者数は、日本国内だけでも1000万人以上に達しています。
ただ、動画共有サイトの利用者は、「投稿する人」よりも「見る」だけという人が多くいます。これは、見たい動画がいつでも無料で見られる点にあるからです。米国では個人撮影の動画を楽しむニーズがもともと高いのですが、日本で人気のある動画は、映画や音楽のプロモーションビデオやドラマやテレビ番組の録画が多いようです。話題のテレビ番組を録画し忘れても、動画共有サイトを開けばその番組の録画が投稿されていることも少なくありません。
しかし、テレビ番組やプロモーションビデオの動画には著作権があり、テレビ局や制作者の許可なしに勝手に投稿するのは違法になります。テレビ局各社や著作権団体が、運営団体に削除を要請しても次々に投稿され、いくら削除しても追いつかないのが現状です。ただ、利用者の急激な増加は、むしろ積極的な番組宣伝に利用した方がよいと考えるテレビ局も現れていますので、著作権侵害に目を光らせながらも、自ら積極的に動画配信に乗り出すメディア企業も今後は増えそうです。
大きな課題としては、動画共有サイトでいかに収益を上げるかという点です。ニコニコ動画では有料会員制度を導入しましたが、ほとんどの運営企業は広告収入を柱にしています。しかし、動画に見入っている利用者は、なかなか広告を見てくれません。利用者はますます増えていくことが予想されますが、動画ファイルを大量に処理するには巨額の設備投資が必要になりますから、相次ぐ新規参入で競争は激しくなりそうです。
https://www.lifestyle.co.jp/2008/01/post_244.html
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