見直されるディーゼル車
投稿日:2007年12月25日 09:33
原油の高騰によりレギュラーガソリンの値段が150円台のところも出てきました。値段はまだまだ上がる可能性がありますので、どこまで上昇するのか心配になります。そんな中、ディーゼル車が注目を集めています。
ディーゼル車はガソリン車と違って軽油で走りますから、今までは大気汚染の一つとして考えられていました。また、振動や騒音などもガソリン車に劣るため敬遠されがちだったのですが、最近は低公害車として見直されています。
ディーゼル車の最近のキャッチフレーズは「低公害」「環境に対応」とこれまでのイメージとは正反対になっています。まず、ディーゼル車の大きな特徴は、燃料費が安いことです。軽油はガソリンに比べて15%値段が安く、同じ量の燃料で走った場合、ディーゼル車の方がガソリン車より1?2割長く走れます。つまり、燃費が良いということになります。車体の価格は同クラスのガソリン車より数十万円高いのですが、年間1万??程度走れば、数年で元が取れる計算です。
大型車向きで高速走行に適しているという特徴からトラックやバスでは広く普及しています。ところが、乗用車では国内市場の0.04%、約2000台に留まっています。新車では、メルセデス・ベンツの一車種のみで日本のメーカーはありません。
普及しない理由として、喘息などの原因となる窒素酸化物(NOx)や粒子状物質(PM)の排出量がガソリン車より多いので、環境に悪いというイメージが定着し、規制の強化や振動、騒音も大きく敬遠されてきました。
地球温暖化対策で重要なのは二酸化炭素など温暖化ガスの削減といわれていますが、ディーゼル車は燃費が良いですから、CO2の排出量はガソリン車より少なく、窒素酸化物(NOx)や粒子状物質(PM)についても技術の進歩によって、この10年ほどで大きく改善されてきました。
2009年には日米欧でディーゼル車の排ガス規制がさらに厳しくなりますが、メーカー各社はほとんどNOxやPMを出さない、クリーンディーゼル車の開発に目処をつけているようなので、振動や騒音も今やガソリン車と変わらなくなってきました。欧州では、コストの安いディーゼル車の人気は以前から高く、性能向上や環境意識の高まりが普及をさらに後押ししています。
究極の低公害車はCO2の出ない燃料電池車ですが、実用化するにはまだ10年から20年はかかりそうです。ハイブリッド車も低公害車の主流になるには、一部のメーカーだけであり、多くのメーカーはまだ開発途上にあります。
電気自動車も有望ですが、走行できる距離が短いという短所があります。そこで、環境問題の改善として当面の期間、ディーゼル車の普及が重要になります。税制の優遇やディーゼル車の価格が下がれば、日本での普及も加速しそうです。
https://www.lifestyle.co.jp/2007/12/post_241.html
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