高気密高断熱工法
投稿日:2007年12月20日 09:30
外張り断熱工法が標準装備というCMをよく見かけるように、現在の住宅は高気密高断熱住宅が圧倒的に多くなりました。
吉田兼好の「徒然草」では、「住まいは夏を旨とすべし」という一節があります。昔は着衣などで我慢のできる冬の寒さより、しのぎにくい夏の暑さを考えて住まいのあり方が考えられていて、梅雨の湿気や夏の高温多湿の気候に合わせて、高床で風通しのよい住宅が求められていました。これは、冷房がなかった昔の話ですが、現在は夏も冬も快適に過ごすことが当然として求められています。
高気密高断熱工法は、北米やカナダ、北欧など極寒の地での寒さ対策として発展してきました。一言でいえば、保温保冷ポットのような住宅を造るという事になります。壁などの外周部には断熱材を充てんすると共に、内部で創り出した冷気や暖気が外部に逃げないように断熱し、気密性の高いサッシや気密シートを用いて快適に過ごせる住宅を造ります。
こうした断熱性能と気密性能をともに備えた住宅は、空調機を運転すればすぐに冷暖房効果が出ます。保温、保冷生が良く、低コストで室内の温度を保つことが可能です。このため、日本においても近年省エネ対策のひとつとして注目されてきました。高気密高断熱工法を採用する際には、外壁の断熱性能だけでなく、サッシやドアなどの気密性能も重要です。また、調理用の換気扇は、同時給排気型が望ましく、石油ストーブや開放型暖房機が使用できないことも念頭に置く必要があります。
現在の住宅は、床下の通気を良くするために基礎パッキンや床下換気扇などを設けるようになりましたが、通気量を増やすと夜間や明け方の冷え込みにより、床面で結露を起こすこともあります。
寒暖差の大きい地域では基礎も断熱工法にしたり、調湿炭などで床下の湿気を押さえるなどの工夫が必要になります。夏や冬の日差しの遮へいや取り込みのバランスを考えると共に、現在住んでいる地域の気候を考慮して、春や秋には自然の通風で快適に過ごせるような開放型と密閉型の両立を図れるような計画が望ましいでしょう。
https://www.lifestyle.co.jp/2007/12/post_240.html
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