エイジング
投稿日:2007年06月25日 09:30
新しいものにキズや塗装を施して、年月が経たように見せる手法のことを「エイジング」といいます。主には舞台美術や商業施設で使われてきましたが、この手法が最近、住宅にも取り入れられてきました。家具や床材にエイジング加工を取り入れる場合が多く、アンティークな感じやラフな風合いが生活空間になじみやすく、落ち着きや安心感を与えることが人気になっています。新しいデニムに洗いをかけたり、中古のジーンズが好まれて流通するのとよく似ています。
古いものが好きな方は、リフォームの際などに床材にエイジング加工を施したものを使用するケースが多いようです。昔の学校の床のような、節が多くて割れをパテ埋めしたような感じとかが時を経ていて落ち着きを感じさせ、味わいがあっていいとか、壁が鉄筋コンクリートの打ちっ放しの場合、相性を考えて、ざっくりした感じを出したくてエイジング加工を施すなどです。木の素朴さそのままの質感と人が関わった痕跡など、広い意味での自然な風合い、味わいが好まれています。
床材だけでなく、新品の暖炉をエイジング加工した例もあります。趣味でアンティーク調の家具を集めていた方が欧風住宅を新築した際に、装飾として造りつけた暖炉の色が真新しい白さだったため、違和感を消すために加工したそうです。まず、下地にベージュの塗料を塗って色を落ち着かせ、特殊なハケや塗装をこすり取るブラシ、海綿を使ってムラやぼかしを入れます。その上から半透明のエイジング塗料で汚れた感じに仕上げていきます。暖炉内部のレンガと暖炉上部にかけた鏡の額にもエイジング塗装を施していきます。
古い建物が多い欧米では、家を手に入れる際にエイジング仕上げをするのは珍しくなく、エイジング加工用の塗料は海外メーカーの種類が豊富です。汚れを表現するための塗料や古い家具などに見られるようなひび割れを発生させる特殊塗料、木材を保護し同時に深みのある風合いを引き出す事ができるワックスやアンティーク調の風合いを再現するための塗料、壁紙などを色あせたように白茶けた味わいを出す白色の塗料などがあります。
https://www.lifestyle.co.jp/2007/06/post_209.html
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