間伐材の活用
投稿日:2007年04月19日 09:32
山の木を伐採した後は、30年後、50年後の利用を考えて植林をします。植林された杉や檜は、年々の成長に伴い木々の間隔が狭くなってしまい、放っておくと十分に陽光が届かず、ひ弱な木になってしまい立派な丸太に育ちません。樹齢15年前後になると、過密になる木々の中から発育の良くない一部の木を選別して計画的に伐採を行います。
この作業のことを間伐といい、その際伐採された木材のことを間伐材といいます。間伐をすると地表に十分な陽光が届き、下草や低木も育ちますので地表の土を風雨などから守ることができます。杉や檜の山を間伐せずにそのままにしておくと、下草が生えてきませんので地表が露出したり、木の根を強く張れなくなり、山の保水能力が落ちます。その結果、洪水や山崩れ、倒木といった被害を引き起こします。
間伐材は切り倒した後に運び出す必要がありますが、国内材の産地では安価な輸入材に押されたり、高齢化も影響して森林業者の減少により、そのままの状態で放置されている所が多く見受けられます。2000年の東海豪雨や2005年の大型台風では、大量の間伐材が川や海に流失してしまいました。
木材としての商品価値を持たせるためには、真っ直ぐな木材が必要になりますが、杉や檜、松などの針葉樹は密生して植えないと真っ直ぐに育ちません。まばらに植えた場合には真っ直ぐに育たないばかりか、下の方が太く上に行くに従って細くなってしまい、木材の商品価値は下がってしまいます。
日本の森林が保有する木材のストックは約35億?で、毎年の生長量は国内消費の80%に相当する約9000万?といわれています。残りを輸入材に頼ればいいわけなのですが、現実には20%以下しか消費されていません。日本の林業を守るためにも国産木材の活用と間伐材の有効利用が必要とされます。
最近、間伐材を利用した梁や柱、内装材といった建築材料への取り組みが増えてきました。また、間伐材で作られたテーブル、ベッド、椅子やシステムキッチンなどの家具には、間伐材マークが付いていますので、できるだけ間伐材を購入するように心がけましょう。
https://www.lifestyle.co.jp/2007/04/post_196.html
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