建築物の総合環境評価
投稿日:2007年01月30日 09:28
自動車や家電などを購入する際にはデザインや価格、大きさの比較だけでなく、燃費の良さや消費電力の少なさといった環境性能も重要な検討項目になっていますが、住宅を購入あるいは建設するときの環境性能については、なかなかわかりにくいものがあります。
そこで最近、欧米で建築物について環境性能評価システムが急速に普及してきたのを受けて、日本でも建築物総合環境評価システム(CASBEE)が開発されました。
室内環境を1つめとして音や温熱環境、光や視野、空気といった「快適・健康・安心」の居住性と2つめに機能性や耐候性・信頼性、対応性や更新性といった「長く使い続ける」ための機能や耐候性、3つめに生物環境や景観、地域のアメニティといった「町並み・生態系を豊かにする」室外環境の3分野から環境品質や性能(Q=クオリティ)を評価します。
次に、建物の負荷熱や自然エネルギー、設備システムの効率化や効率的な運用といった「エネルギーと水を大切に使う」、2つめに水資源の保護や低環境負荷材料について「資源を大切に使いゴミを減らす」省資源、リサイクルについて、3つめとして大気汚染や騒音・振動、風害や日照障害、ヒートアイランド化など「地球環境に配慮する」といった敷地外への配慮といった3つの分野で環境負荷(L=ロード)を低減する取り組みを評価します。
(Q)と(L)を合わせた6つの分野の合計52項目について5点満点で採点します。品質(Q)の合計を環境負荷(L)の合計で割って最終的な数値で判断します。健康や安心をないがしろにしては、いくら環境負荷が低減されても全体の評価としては低くなってしまう仕組みになっています。
このCASBEEに、毎年50万戸建設されている戸建住宅に関する評価システムが仲間入りする予定で、試行版が建築環境・省エネルギー機構から公開されています。建築物の環境品質と性能を上げて、環境負荷を減らすことが重要な時代になってきています。バランスの良い建物は長持ちしますし、資産価値も高く保てますので環境性能に配慮した建築物が求められていきそうです。
https://www.lifestyle.co.jp/2007/01/post_181.html
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