超高強度コンクリート
投稿日:2006年08月01日 15:23
ここ、近年マンションの分譲が好調です。都心部では、高層マンションも多く建設されていて、50階クラスの超高層マンションも誕生しています。それにともない、柱や梁に使われるコンクリートも高強度化してきました。
コンクリートはセメントに結合材としての水と砂、粗骨材及び混和材を適切な割合で調合し練り混ぜたものをいいます。水とセメントの水和反応によって堅固な硬化体になり、圧縮に対する強度が強く、耐久性、耐火性、耐水性などに優れていて、安価な構造材料として広く使われています。
材料や製造方法、施工条件や諸特性によって、コンクリートの種類は多くありますが、現在最も多く使用されているコンクリートは流動性や耐凍害性を持たせるAE剤を加えた圧縮強度180?300kgf/c?のレディミクスコンクリートが主流です。
コンクリートの強度というと、圧縮強度や引張強度、曲げ強度、せん断強度などがありますが、一般的には圧縮強度を意味します。圧縮強度が36N/m?(360kg/c?)を越えるものを高強度コンクリート、60N/m?(600kg/c?)を越えるものを超高強度コンクリートと呼んでいます。コンクリートの圧縮強度の数値にFcを頭につけてFc36やFc60と表示したものを設計基準強度といいます。
高層マンションではFc80のコンクリートが多く使われていますが、武蔵小杉駅前周辺では、竹中工務店が施工する三井不動産分譲のパークシティ武蔵小杉や大成建設が施工する伊藤忠都市開発のザ・コスギタワーには、従来の2倍以上の強度を持つ1c?あたり1500kgに耐えられる強度のコンクリートを使用しています。セメント内の水分量を抑制しつつ、流動性を確保するためにガラス質の微粒子を混ぜ込んでいて、最も負荷のかかる1階部分に導入されています。大林組も実験で200N/m?のコンクリートを開発するなど他のゼネコン各社も超高強度コンクリートの開発を競っています。
耐震性能に対する消費者の関心が高まる中、強風時や地震時の揺れを抑えられることや柱を太くせず、居住空間を広くすることができるので高層マンションへの導入が広がりそうです。
https://www.lifestyle.co.jp/2006/08/post_152.html
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