Web 2.0
投稿日:2006年07月01日 15:04
Web 2.0とは、従来のWWWにおけるサービスやユーザ体験を超えて次第に台頭しつつある新しいウェブのあり方に関する総称です。
Web 2.0という言葉は、あくまでもコンテンツの提供の仕方や、技術の提供の仕方、あるいは要素技術の組み合わせの仕方、サービスの使い方などを漠然と指しているため、明確な定義づけがなされている訳ではありません。
また、IEEEやISOなどのように、特定の規格や標準のことを指している訳でもありません。しかし、Web 2.0という概念で特徴付けられるものは、いくつかの共通要素を共有しており、これらの要素を持っているかどうかによってWeb 2.0は特徴付けられています。
Web 2.0の大家として知られるTim O'reilly氏の論文「What is Web 2.0」によれば、Web 2.0を特徴付けているのは、次のような事柄です。
1.ユーザーの手による情報の自由な整理
従来のWebでは、Yahoo!ディレクトリなどのように情報をディレクトリ型に整理して配置して来ました。これに対してWeb 2.0では、ユーザーの手によってこれらの枠組みに捉われることなく、自由に情報を配置します。代表的なサービスとしては、画像を共有するサービスであるFlickrや、ソーシャルブックマークのはてなブックマークなどです。
2.リッチなユーザー体験
従来のWebでは、HTMLやCGIなどを利用してサービスが提供されることが多かったのですが、これに対してWeb 2.0では、Ajax、DHTML、Greasmonkeyなどといった技術やテクニックを応用してサービスを構築し、豊かなユーザ体験を提供します。代表的なサービスとしては、GoogleMapやGoogle Suggest、Gmailなどです。
3.貢献者としてのユーザー
従来のWebでは、情報を提供する側がユーザーに一方的に情報を提供していました。これに対してWeb 2.0では、ユーザーによるレビューやユーザーによる評価がコンテンツの構築に貢献し、結果的にそれがサービスとして蓄積されて行きます。代表的なサービスとしては、AmazonのレビューやGoogleのPageRankなどです。
4.ロングテイル
従来の市場では、「2:8の法則」などと言われるように「2割の商品が売上の8割を稼ぐ」などといった法則が成り立っていました。これに対してWeb 2.0では、この8割の側に当たるニッチな商品や顧客基盤によってサービスやビジネスが成立します。代表的なものとしては、従来大手企業しか顧客になることが無かった広告業界において、個人のレベルまでを取り込むことに成功したGoogle Adsenseなどです。
5.ユーザ参加
従来のWebでは、情報提供側と提供される側との間に明確な境界線が引かれていました。これに対してWeb 2.0では、開発やコンテンツの制作などにユーザが積極的に関わることによってサービスそのものを成立させます。代表的なサービスとしては、ブログ、mixiなどのソーシャルネットワーキングなどです。
6.根本的な信頼
従来のWebでは、コンテンツは著作権によって、テクノロジーは特許によってという風に知財が管理される志向を持っていました。これに対してWeb 2.0では、情報を享受する側に対して根本的な信頼を寄せることにより、人間の知そのものを共有すると共に、それを相互に発展させて行こうとする志向を持っています。代表的なものとしては、Wikipediaやオープンソースなどです。
7.分散性
従来のWebでは、データやサービスは独立のコンピュータに独立したものとして、保存されていたり提供されていたりしていました。これに対してWeb 2.0では、ネットワークを通じてファイルを相互に交換、共有することでサービスを成立させたり、あるいはサービスやプログラムそのものを交換したり組み合わせて利用したりすることにより、サービスを成立させています。代表的なものとしては、WinnyやWinMXなどのファイル共有ソフト、あるいはWebサービスなどです。
https://www.lifestyle.co.jp/2006/07/web_20.html
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