ファイル共有ソフト
投稿日:2005年09月06日 14:46
インターネットに接続した利用者同士が、それぞれ持つ映像や音楽などのデータをやりとりできるのがファイル共有ソフトですが、その是非が裁判でも争われています。
例えばインターネットなどで音楽などのデータを手に入れたいとき、通常はデータを提供しているホームページを画面に呼び出し、所定の場所をクリックして自分のパソコンにデータを取り込みます。この場合はホームページを運営する側のコンピュータ(サーバー)と利用者のパソコンは1対1でつながった状態です。
これに対してファイル共有ソフトは、同じソフトをインストールしたパソコン間で誰かが持つデータを引っ張って来ることが可能になります。ウィニーの場合ではソフトを起動してインターネットに接続すると、自分のパソコンのハードディスクのうち、公開すると指定した音楽や映像などのデータのリストを他の利用者向けに提供します。ネットに接続している他の利用者も同様にデータのリストを提供する形になります。すべての利用者が保有するデータのリストを出し合った状態になり、ほしいデータの名前を入力するとリスト中にデータがあれば、そのデータがあるパソコンから直接転送されるか、第三者経由で欲しいデータを入手できます。
入手したデータは利用者のパソコンに暗号化された形式で残ります。次にソフトを起動したとき、他の利用者でこのデータを欲しがっている人がいれば、そこからさらにデータが転送されます。人気のあるデータは、複製が世界中に分散して配布されることになり、入手が容易になります。
しかし、音楽・映画界は著作権が侵害される懸念と、事業に深刻な影響を受けるため利用を抑えようと監視を強めるとともに、法的手段にも訴えています。日本では昨年、広く流通していた共有ソフト「Winny(ウィニー)」の開発者が逮捕されてしまいました。ウィニーを自分のホームページで公開して、不特定多数の人に提供し、違法コピーを促したとの疑いでした。 個人がファイル共有ソフトで得た楽曲などを純粋に楽しむ限りにおいては、従来の録音などと同じで現在のところは問題視されないようですが、他人に無料コピーを推奨したと判断できる場合は、著作権侵害とする流れが強まっています。
交換ソフトについては最近、コンピュータウィルスの感染経路になったり、企業の情報が流失するなどの弊害も出始めています。著作権保護の観点からソフトそのものを規制すべきとの意見も出ていますが、情報をやり取りする道具として大きな潜在能力を秘めていますので規制は経済的な損失にもつながるとの意見もあります。ネット配信システムをさらに使いやすくして、コンテンツを手軽に入手できる合法的な方法が求められています。
https://www.lifestyle.co.jp/2005/09/post_143.html
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