個人情報保護法

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 個人情報保護法

投稿日:2005年04月18日 11:32

 氏名や生年月日、住所、職業など特定の個人を識別できる情報を個人情報といいます。その適切な取り扱いを企業などに義務づける法律が「個人情報保護法」ですが、この4月から全面施行され、個人情報の利用目的の明確化や安全な管理が要求されるようになります。

 この法律は、プライバシーを含む個人の権利や利益が侵害されることを未然に防ぐことが目的で、制定の背後には、高度情報社会の進展が挙げられます。コンピューターのデータ処理能力が向上し、ネットワークを通じて瞬時にやり取りができるようになり、電子商取引など消費者もメリットを享受する一方、個人情報の誤った使い方による被害もでてきたためです。近年、企業から顧客データの流失が相次ぐなど、情報社会のマイナスの側面が無視できなくなってきました。

 流失した個人情報が10万件を越すケースも多々あり、データを悪用して不審なダイレクトメールや架空請求書を送りつけられるといった問題も起きています。振り込め詐欺にも個人情報が使われたりしています。

 これまでは、消費者が不審に思っても一般的には、企業などが保有する自分のデータに関与する法的根拠がありませんでした。そこで個人の権利を保護するために、個人情報を取り扱う事業者が守らなければならない共通のルールを定め、違反した場合の罰則規定が設けられました。

 個人情報を保護する動きは国際的な流れでもあります。ネット社会では国境がないため、各国が協調して取り組む必要があります。1970年代にはスウェーデンやドイツ、フランスなどが個人情報を保護する法律を制定しています。日本も遅ればせながらといった感じでOECD(経済協力開発機構)が1980年に出した指針に沿って法制化されました。

 法の施行後、企業は個人情報の利用目的をできる限り特定しなければならなくなります。当初の目的以外に利用したい場合は、本人の同意が必要になります。本人の同意を得ずに個人情報を第3者へ提供することは、原則できなくなります。また、保有する個人データは本人から求めがあった場合、開示する義務が生じます。

 法律は必要最小限のルールを定めたにすぎませんが、情報が漏洩すれば起こした人や企業だけでなく、業界全体の信用問題にもなりますので企業や事業者は自立的な取り組みが必要となります。政府は、医療、金融・信用、情報通信の3分野には特に厳格な情報管理を求めています。法律が施行されても、思わぬところで個人情報が悪用される可能性は残るため、利用目的のチェックや懸賞、アンケートの解答などで必要以上に情報を提供しない自己防衛も大切です。

 個人の権利保護と情報活用による利益との適切な配慮、バランスが必要な時代になりました。1枚固有の識別番号を持つICチップ付き入場券は、パソコンや携帯電話からパビリオンの観覧を予約しておくことができますので、混雑が予想される日でも待たずに入館できます。また、テロをふまえた安全・警備対策をとるため、入場ゲートではボディチェックが実施され、ペットボトル・ビン・缶類の持ち込みは禁止となります。



https://www.lifestyle.co.jp/2005/04/post_84.html
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