家具の転倒防止

ライフスタイル総合研究所



 家具の転倒防止

投稿日:2005年02月16日 10:55

 新潟県中越地震では約2千8百人の方が負傷されましたが、このうちの約40%は家具の転倒や落下物が原因だったようです。家具の転倒防止にはどんな方法が有効なのでしょうか。

 東京消防庁が行った高さ180?、幅90?、奥行き41?で重さが65?の食器棚での実験では、L型金具など床や壁に固定するタイプはおおむね効果が大きく震度6強にも耐えるものが多かったのに対し、家具の下に入れて使用するストッパー式、マット式の転倒防止用品はいずれも震度6強の揺れには耐えきれず棚が転倒しました。ただ、使い方次第では効果は大きく、家具の上部を固定するH型の突っ張り棒と併用した場合には転倒を予防する効果が高いことがわかりました。

 また、同庁が行った2138世帯へのアンケートでは家具の転倒防止対策を実施している世帯は約28%で、非常食や非常水の備蓄の52%の約半分でした。対策を取らない理由としては、家具などを取り付けると壁や家具に傷が付くことをあげる人が多かったとのことです。

 身近なものでも十分効果があり、壁も家具も傷つけない方法としては厚さが5?程度の板などを(手軽なものではかまぼこ板など)家具の底の手前側に入れて家具を壁側に少し傾けます。また、家具と天井の間には空の段ボールや菓子箱など幅が広めの空き箱を詰め込みます。

 地震の際、家具の重心は壁側にずれていますので、転倒しても壁側に倒れますし、空き箱は天井と家具に面で接するので摩擦力がまして家具を固定する力が強まります。また、揺れを軽減するクッションの役割もはたしますので並の転倒防止用品よりも高い効果が期待できます。突っ張り棒の場合、天井の下地がしっかりした位置に取り付けないと天井を突き破ってしまう可能性がありますので気を付けましょう。

 また、家具を置く床がじゅうたんやタタミの場合、長期間おくと重さで沈み込んで地震の際に倒れやすくなりますので注意が必要です。建物の耐震補強と合わせて屋内でもできることから対応していくことで、地震時の被害の軽減につながります。



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