免震住宅

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 免震住宅

投稿日:2004年11月16日 11:12

 地震の被害を押さえる建築技術には、耐震、制震・免震の3種類があります。

 建物をある一定の揺れに耐えられるように強固な構造にするのが、耐震です。それに対して建物そのものの揺れを抑えて内部の家具や設備の転倒を抑えるのが制震と免震です。このうち一般に高層ビルに使われるのがコンピュータ制御を取り入れたダンパー(減衰装置)などで揺れを抑える制震で、免震はどちらかというと中低層の建築物に向いています。

 免震構造は主に建物本体と基礎部分の間にゴムや丸い金属のような装置を入れて、地震で地面や基礎が横に揺れても、建物本体に振動が伝わりにくくして、揺れを受け流す仕組みになっています。ビル建築に使われてきた技術ですが、この免震技術を使った戸建て住宅も市場に増えてきました。新築だけでなく、既存の建物を補強する形でも対応できるようです。

 業界団体の日本免震構造協会の調査では、国内の一戸建て免震住宅の新規販売総戸数は1999年に11棟でしたが、2003年には340棟前後と急伸し、累計では千棟を越えました。中でも免震住宅全体の9割近いシェアを占めているのが、東海地震への関心が高い静岡県内の需要を反映した一条工務店(浜松市)です。大手住宅メーカーでは積水ハウスや三井ホームがテレビCMなどで販売攻勢をかけています。

 住宅以外では病院などの医療機関・学校に免震工法の導入が目立ちます。また、2005年春完成予定の富士通三重工場(多度町)では、国内で初めてクリーンルームに免震装置が導入されます。

 文部科学省では、東海から四国沖までを震源とする東海、東南海、南海の三地震が今後30年間に起きる確立をそれぞれ40?82%と分析しています。この三地震による被害は最悪で死者が2万8千人になると予想されていますので、地震対策への世間の関心は高まっています。しかし、一棟(延べ面積132平方?の二階建)あたり、免震装置に二百万?三百万円かかるコストをどう下げていくかが、今後の普及へのカギとなりそうです。



https://www.lifestyle.co.jp/2004/11/post_28.html
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