マンションの建て替え

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 マンションの建て替え

投稿日:2004年10月16日 11:18

 最初は立派だったマンションも30?40年以上たつとさすがに老朽化が進み、リニューアルでは対応できずに建て替えについて考えざるを得ない状況になってきます。2002年に「マンション建て替え円滑化法」が施行され、建て替えが進めやすくなりましたが、大勢の住民が関係しているだけに時間がかかることも確かです。

マンションを建て替えるにあたっては、修繕と建て替えの費用と効果の比較が必要になります。修繕で対応できるものなのか、建て替えた方がよいのかを検討する必要があります。どれくらいの大きさの建物に建て替えられるのかも大きな要因です。法規制で容積率などに制限があり、都市計画の変更で同じ大きさを確保できないケースも考えられます。また、逆に建設当時よりも大きい建物が建設可能で、現在の住戸数よりも多く確保できる場合には多い分を分譲して建設費用に充てることもできます。

 次に建て替え推進のための集会を招集して、住民(区分所有者)の5分の4の賛成を得る必要があります。招集通知は2ヶ月以上前に送る必要があり、維持費や修繕積立金なども通知します。その上で集会の1ヶ月以上前に説明会を開いて住民に建て替え計画などを知らせます。また、マンションに賃貸人が暮らしている場合は賃貸人にも招集通知を送り、決議にも参加してもらいます。5分の4の賛成で立て替えが決まっても、反対する住民への対応も必要になります。円滑化法によって法人格の組合を設立することが可能になりましたので、組合が時価で売却するように請求ができるようになりました。

 団地など同じ敷地内に複数棟のマンションがある場合、一棟だけの建て替えはできるのでしょうか。建て替えを行う棟の住民の5分の4以上の賛成と団地管理組合の4分の3以上の承認があれば可能です。団地内のすべてのマンションを建て替えるとなると、団地管理組合の集会で全体の5分の4以上の賛成と各棟で3分の2以上の賛成が得られれば、一括して建て替えられます。東京新宿区の1957年に建った、好条件の「諏訪町住宅」で最終的に全員が合意するのに10年ほどかかりました。同じ新宿区にある築70年の同潤会江戸川アパートでは同意に30年かかりました。

 現在、国内では約4百万戸、約千百万人が分譲マンションで暮らしています。築後30年を越えるマンションは大都市圏で2003年時点で約28万戸、2011年には百万戸を突破する見通しのようです。建て替えの実績は阪神大震災で被災したものを除いて80件ほどですが、今後は建て替えの本番を迎えそうです。



https://www.lifestyle.co.jp/2004/10/post_30.html
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