光触媒商品
投稿日:2004年05月16日 11:28
ビルの外壁や窓ガラスなど事業用に使われてきた光触媒が、一般家庭用としても応用され始めました。蛍光灯程度の光でも機能する光触媒の開発が進み、汚れを光で分解する眼鏡フレームやカーテンなどが相次いで登場してきました。脱臭剤と組み合わせるユニークな商品もあります。
豊田通商と豊田中央研究所はニコンの子会社と共同で「ひとふきで油汚れが目立たなくなる」という特徴をもった眼鏡フレームを開発しました。フレームの表面に豊田中研が開発した光触媒を塗布したもので、光が当たると、空気中の水蒸気が表面にごく薄い水の膜をつくり、皮脂などの汚れが浮いて取れやすくなります。汚れ自体も分解可能で、蛍光灯のついた部屋の中でもフレームについた指の油脂などの有機物を20分で完全に分解します。
酸化チタンが主成分の光触媒は紫外線によって機能を発揮します。豊田中研などは酸素の一部を窒素に置き換え、蛍光灯に含まれる可視光線にも対応できるようにしました。フレームだけではなくレンズにも応用したいところですが、光触媒を付けると現段階では透明度に問題がでてくるため新材料を研究中です。
豊田通商は眼鏡フレームに続き、シックハウス症候群の原因となる揮発性有機化合物を分解するカーテンなど数十種類の製品を発売する予定です。将来は自動車のダッシュボードに組み込んで新車特有のにおいを分解する応用も検討されています。光触媒粉末製造の最大手石原産業では、可視光での働きをさらに向上させて、タバコのにおいを脱臭する壁紙などに応用したり、室内で広く使える光触媒商品の開発を進めています。
また、TOTOでは光触媒を使った脱臭剤や抗菌剤の効果を高めた商品を冷蔵庫向けやゴミ箱用に投入していて、最近は靴箱特有のかび臭さに対応した脱臭剤を発売しました。光触媒の世界市場規模は現在約400億円ですが、ほとんどが産業用です。市場は拡大していて2?3年後には1000億円規模になるとみられています。生活用品への活用が普及すると市場規模はさらに膨らみそうです。
https://www.lifestyle.co.jp/2004/05/post_34.html
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