ODA

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投稿日:2004年03月18日 12:30

 昨年スペインで開かれたイラク復興支援国会議で、参加国と国際機関が復興資金、総額330億?(約3兆6千億円)を拠出すると報じられました。日本はODA予算を中心に、2004年は返済義務のない無償資金15億?(約1千640億円)、2005?2007年は円借款などで35億?(約3千800億円)を拠出する方針です。

 そもそもODAとは何なのでしょうか。具体的には先進国を中心とする援助国への資金協力のことです。道路や橋、鉄道を造ったり病院などの施設整備を始め、専門家の派遣、研修員の受け入れなど、行政官や技術者、教員などの養成も行っています。日本も戦後は国際機関から長期で低利の資金を借りて、東海道新幹線や東名高速道路などの産業インフラを整備してきました。

1954年から技術協力を支援する国際機関コロンボ計画(本部スリランカ)に加盟し、ODAを実施しています。その予算は91年から2000年まで世界一でしたが、2001年以降は米国に次いで2位となっています。累計185の地域・国に援助してきました。

 日本のODAは技術協力、円借款、無償資金協力、国際機関を通じた援助の4つに分類できます。2001年の実績では技術協力3千450億円、円借款3千300億円、無償資金協力2千310億円、国際機関を通じた援助が2千900億円となっています。

 ODA予算は財政難から年々削減されていて、2003年度のODA予算は8千570億円で、98年に比べて約2割減っています。2004年にはイラク復興の財政支援をODA予算で賄うことになっており、予算配分はさらに厳しい状況になります。

 昨年、中国は有人宇宙飛行に成功しましたので、高い経済成長で有人宇宙船を打ち上げるほどの国力を付けた国に、これ以上援助する必要があるのか。2002年度の対中ODAは、合計で1千342億円とピーク時の約6割の水準に減っていますが、さらに見直しをして減らすべきだとの意見もあります。しかし、日本は2001年から対中ODAの重点を、大気汚染や水質汚濁を減らす環境保全分野に移しており、日本の利益にかなうものになってきていますし、巨大な市場を持つ中国への援助は、結局は日本の利益にかなうとして減額に反対する意見もあります。

経済や財政の状況は厳しいですが、日本は世界第2位の経済大国であり、国際社会の安定によって利益を得ていることは明らかなので、立場に見合ったODAを実施する必要があります。国内予算の無駄な部分を省く努力と少なくなったODA予算をどう効率よく配分していくのか、世界の安定と繁栄に貢献するために、どういう地位を築いていくのかといった長期的な視点と他国の手本となるような行動が求められているようです。



https://www.lifestyle.co.jp/2004/03/post_100.html
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