生鮮食品に「ICタグ」
投稿日:2004年02月22日 13:35
野菜などの生鮮食料品に無線で情報を読み取るICタグ(電子荷札)を付け、消費者が産地や流通経路を即座に確認できるようにする実験が首都圏のスーパーなどで始まりました。アメリカのBSE(狂牛病)感染牛や鳥インフルエンザの鶏が相次いで発見され、食品の安全性に対する関心が高まっているだけに、食品の履歴を確認できる技術に期待が寄せられています。
2004年1月からICタグの実証実験が始まった京急ストア系の「けいきゅう能見台店」(横浜市金沢区)。青果売り場の陳列棚に並べられた大根やキャベツにICタグが付いています。ICタグは0.4ミリ角の微細なチップと約5センチの細い金属のアンテナを組み合わせた構造で、シールで野菜に張り付けられています。大根を手に取ってモニター端末機にかざすと、情報を管理する主力コンピューターから情報が呼び出され、品種や等級のほか、生産農家の顔写真や畑の風景などが画面に映し出されます。画面には、生産農家からのメッセージが示され、どんな農家か、肥料がいつ使われたのかも分かります。
首都圏コープ事業連合(東京都文京区)も2月1日から、協力する約200人の組合員に配達する鳥のから揚げや青汁に計1万1千個のICタグを付けて管理する実験を始めます。組合員は受け取った商品に付いているバーコードの番号から、インターネットを使って産地情報などを知ることができます。
利点は履歴を確認できるだけではありません。BSE牛や鳥インフルエンザの鶏などが販売されてしまった場合に、「ICタグに入力された情報を追跡すれば、原因追及や回収作業が容易になります」(農林水産省)。さらに、スーパーなどが「購入した野菜が傷んでいた」といった顧客からの苦情を受けた場合に、生産や流通過程のどの段階に原因があるのか特定しやすくなり、商品の品質管理にも役立つと考えられます。
https://www.lifestyle.co.jp/2004/02/post_102.html
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