森林認証制度

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 森林認証制度

投稿日:2002年12月23日 10:37

 自然の保護と森林経営の両立をねらった森林認証制度が広がっています。環境に配慮した林業を目指す森林を第三者機関が認証し、そこの木材で作った製品に認証マークを付けることによって、消費者がその商品を選択、購入することを通じて森林保護を支援できる制度です。

 認証は、主に国際機関である森林管理協議会(FSC、本部メキシコ)が行っています。FSCは1993年、自然保護基金など環境団体や林業者、森林を生活基盤とする先住民族団体などが組織した非営利の団体です。環境に配慮した森林を認証し、そこの木材で作った製品にラベルを付ける制度を運営しています。現在、認証森林は世界50カ国で441カ所、面積にして約3千万ヘクタールあります。

 世界の森林、特に熱帯雨林の天然林は減少が続いています。ここ10年間では毎年1230万ヘクタールが消失してきました。減少要因の一つに違法な伐採があります。例えば、木材の大輸出国であるインドネシアでは、政府の森林伐採計画に従わない無秩序な伐採と密輸出に頭を痛めています。伐採後、植林されないまま放置された土地からは森林が二度と再生されない恐れがあるからです。

 森林が奨励されてきた日本国内は、山の緑は豊かに見えますが、現実には林業の衰退で手入れが行き届いていない森が多いのが実状です。また、国内林業の衰退は安価な輸入木材の流入が大きく関わっています。国内外の林業が抱える問題はいわば裏腹の関係で、ともに森を守り、持続的に利用していく仕組みが機能していません。「認証制度は森林保護に消費者が協力できる仕組み」といえます。長期に渡り木材を収穫できるように計画されているか、除草剤が多用されたり林道整備によって土壌浸食が起きていないかなど、生態系や周辺環境への配慮が認証時にチェックされます。取得後も継続的なチェックを受けなければなりません。

 日本では2000年に三重県海山町にある速水林業の所有林が初めて認証を受けました。高知県梼原町森林組合、広島県庄原町市のアサヒビール庄原林業所、埼玉県、群馬県の東京農工大学演習林も認証を受けています。また、認証木材を利用した商品も次第に増えてきています。三菱製紙は南米チリの認証木材で作ったティシュペーパーを発売してますし、東京の家具専門店アスプルンドはニュージーランドの認証木材で作った家具を2年程前から輸入販売しています。

 製品に認証マークを付けるには加工工場や卸売店も認証を受ける必要があります。認証製品を扱う企業は製紙、家具、印刷など国内では30社、世界では850社にのぼっています。認証制度が世界の森を守るのにどれだけ効果があるのかは未知数ですが、環境と経済の両立を目指す新たな試みであることに間違いはないようです。グリーン購入と合わせて認証製品の購入にこころがけたいものです。



https://www.lifestyle.co.jp/2002/12/post_125.html
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